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イタリア・オペラの楽しみ

音楽によるドラマを創造したドニゼッティとベルカントを踏襲したヴェルディ チューリヒの「マリーア・ストゥアルダ」と「ルイーザ・ミラー」を見くらべて

ロベルト(ブレスリク)とエリザベッタ(ファルノッキア) Monika Rittershaus

 ガエターノ・ドニゼッティ(1797~1848年)とジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901年)。生年に16年の開きがあるこの2人の作曲家を、耳に心地よいメロディーを優先し、ドラマとしては無内容なオペラを粗製乱造した先輩と、そんなイタリア・オペラを音楽による深い人間ドラマへと昇華させた後輩、と捉えるむきが、いまなお少なくない。しかし、現実には、ドニゼッティは歌唱重視だったオペラを、劇性を強調する方向へと転換し、ヴェルディはドニゼッティの音楽と志向から大きく影響を受けていた。

 歴史はいつも、真っすぐには進んでいかない。後輩は試行錯誤しながらも、前へ前へと歩を進めようとするが…

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