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アンコール

大野和士迎え新たな成熟へ 新国立劇場「魔笛」新制作上演

プロジェクションマッピングが用いられた今回の「魔笛」(撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場)

 世界的に活躍する指揮者の大野和士が新国立劇場オペラ芸術監督に就任して最初の新制作上演となるモーツァルトの歌劇「魔笛」のステージを振り返る。取材したのは10月3日、初日の公演。

 大野は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて世界五大陸に関連した五つのオペラを新制作する構想を抱いていた。現時点では3作品の制作が決まっているが、新国芸術監督の任期の幕開けに選んだ、この「魔笛」もその一つである。演出・美術を担当したのが、南アフリカ出身のウィリアム・ケントリッジ。現代美術界における活躍のほか、映像、演劇やオペラの演出などにも進出し注目を集めている鬼才。その作品や演出舞台には南アフリカの社会政治学的な思想を下敷きに、植民地主義やアパルトヘイトに対する問題意識、ユダヤ人家庭に生まれたことで体験した幼少時代の記憶などが、さまざまな形で投影されている。「魔笛」のプロダクションは既にミラノ・スカラ座、エンサンプロヴァンス音楽祭をはじめとするヨーロッパ各地の歌劇場などで上演されてきた、ケントリッジにとっては、いわば定番ともいえる〝オペラ作品〟である。

 その舞台はプロジェクションマッピングなども活用し、得意のドローイング(線画で対象を描くこと)を駆使した幻想的なもの。各アリアでは登場人物の心理状態を演者の動きや目線で細かく表現していた点も秀逸であった。しかし、このプロダクションがベルギー・ブリュッセルのモネ劇場で初めてお披露目されてから13年が経過。その間、各地の劇場はもとより、放送やDVDなどで鑑賞した観客・聴衆も筆者をはじめ少なからずいたは…

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