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音のかなたへ

自筆原稿からの音

=尾籠章裕撮影

 久しぶりに会った彼は、少し日に焼けたせいか、引き締まってたくましく見えた。

 ぼろぼろに古びて茶色になった箱入りの本をこちらへ差し出した。『ベートーヴェン研究 小原國芳編』(東京イデア書院)。

 「開けてください」と短く言った。

 箱から出してまず奥付を見ると、昭和二年十月二十日の発行である。

 何かが挟まれていてすぐにあいてしまった頁(ページ)には、「二つに裂かれたベエトオフエン(幻想スケッチ)」と題された高村光太郎の詩が載っていた。

 <(略)春がヴィインの空へやつて来て、/さつき窓から彼をのぞき込んだ。(略)>

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