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必聴!

こどもの夢ひろば ボレロ 5周年 小山実稚恵インタビュー

イベントをプロデュースする小山実稚恵=日立システムズホール仙台で

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 ピアニストの小山実稚恵が東日本大震災をきっかけに立ち上げた親子体験型イベント「こどもの夢ひろば〝ボレロ〟~つながる・集まる・羽ばたく~」が、7月27~28日に今年も仙台で開催される。今回も小山や子どもたちが参加するメインイベント〝ボレロ〟大集合コンサートのほか、科学や美術、文化体験ほか18のコンテンツが予定され、子どもたちがみずから取り組める内容が盛りだくさんだ。記念すべき5周年の開催を前に、小山にイベントへの思いを聞いた。(正木裕美)

 イベントのタイトルでもあるラヴェルの「ボレロ」はご存じのとおり、さまざまな楽器がメロディーをバトンのようにつなぎ、最後には壮大な響きを奏でる作品だ。そのボレロのように、「本物に触れることが子供たちの想像力につながり、自由な発想を広げて未来へと大きく羽ばたいてほしい」という願いから、小山はこのイベントへ並々ならぬ熱意を注ぎ、各方面の協力を得て回を重ねている。

 「私はプロデュースしたり企画したりということはこれまでなかったので最初は雲をつかむような話でしたけれども、段々どういうことが子供たちの心に響くのか、喜んでくれるのか、続けてきてわかることもすごくありました。コンサートのプログラムを作るときなども、曲同士の相性がいいと思って並べても、やっぱり連続して弾くと違った印象になることがあるんですね。それと同じようなことかもしれません。もとから〝参加する〟コンテンツを、とは思っていましたが、一方で学ぶのも必要。だけどそれは年齢にもよりますし、子どもたちの好みもありますから。その中で、まず自分が動いてみる、子どもがやってみることは、一番喜んでもらえると感じています」

 だから単なるコンサートではなく、〝体験型イベント〟なのだ。コンテンツは昨年も人気を博した抹茶の体験や、サイエンスと音楽を組み合わせた「おもしろサイエンスショー&コンサート」、そしてトランポリンなど、分野もさまざま。今年は一昨年好評だったプラネタリウムも再び登場し、プログラミング教室や、事務用品の丸シールで皆が風景を作り上げる「丸シールアート」が初めて行われる。

 「シールアートなら幅広い年齢の子どもができますし、自分が貼ったシールは何かのパーツの一部でも、最後に皆でひとつのものを作り上げることができます。そういう体験を通じて、子どもたちの視野が一部分から全体へと広がっていけばいいな、と思います。それから今はAI(人工知能)の時代で、私たち以上に子どもたちは機械を使うことが自然にできるようになっていますから、プログラミングやITの体験コンテンツでは、専門の方に、子どもにわかりよく説明していただきます。こういうことはどんどん取り入れていきたいですね」

昨年の〝ボレロ〟大集合コンサート

 もちろん、体験するのは18のコンテンツにとどまらない。メインの〝ボレロ〟大集合コンサートでは客席も身ぶり手ぶりで演奏に参加し、弾き手と聴き手が一体となって音楽を体感する。また、5月31日まで公募で演奏する仲間を募り、オーディションを経た子どもたちは小山とピアノで連弾したり、オーケストラの一員として指揮者・広上淳一のもと、演奏したりすることができる。日本を代表するピアニストのひとりとして演奏活動をしつつ、一方で小山は子どもたちと思いを共有することを楽しんでいるようだ。

 「私は自分で演奏するほか、どこかに所属して専門の道を志す生徒さんをとる、ということをしていないんです。学生のときに頼まれてほんのちょっと教えたことがあって、それはすごく楽しかったのですが、ある程度弾ける人の場合はコンクールのためのピアノになってしまっていて。本当に音楽を好きで弾くというよりは、弾ける形が上手になるというのでしょうか。でもそれは一生は続かないんじゃないかな……。別にスペシャリストにならなくても、自分が興味を持てて、それ面白い!って思ってやるものならいいと思うのです。でもそうでない場合、結果が出ないときにその人そのものを否定されたように、すごく残念に思ってしまうみたいなんですね。それだったら、私が音楽を好きで、良いと思う気持ちと同じように、どのジャンルでもいいから子どもたちにもそういう気持ちを感じてほしい。そんな思いが、こういう活動に結びついています」

昨年のIT教室の様子。今年はAI、センサー、カメラを組み合わせたものづくりを体験できる

 今年はピアノやオーケストラのほか、指揮者の募集も新たに行っている。なんらかの楽器を演奏できれば指揮の経験は問わず、リハーサルでは広上の指導を受けられるため、我こそは、という人はぜひ応募を。

 イベント自体を楽しむには、まず〝ボレロ〟大集合コンサートのチケットを日時指定のうえ入手しよう。当日会場でチケットを提示するとパスポートが発行され、2日間にわたってさまざまなコンテンツを楽しむことができる(一部事前予約や整理券が必要)。今年のテーマは「チャレンジ」。テーマについて、「何か自分が知っていることを一歩深めることもチャレンジですし、まったく知らない世界のものに踏み出していくのもチャレンジ。ここでの小さなチャレンジが、いつか人生の本当のチャレンジにつながったらいいなと思っています」と小山は話す。子どもにとって何に心ひかれるかは、経験してみなければわからないもの。プロが贈る〝本物〟の体験を通して、たくさんのチャレンジをしてみてほしい。

公演詳細

【第5回 こどもの夢ひろば〝ボレロ〟~つながる・集まる・羽ばたく~】

7月27日(土)、28日(日) 日立システムズホール仙台

◆〝ボレロ〟 大集合コンサート

各日11:15、15:00の2回、1階コンサートホールで開催

指揮:広上淳一

ピアノ:小山実稚恵

振付・ダンス:竹田理央

管弦楽:こどもの夢ひろばスペシャルオーケストラ

合唱:宮城教育大学付属小学校、NHK仙台少年少女合唱隊

グリーグ:「ペールギュント」組曲より〝朝〟 〝山の魔王の宮殿にて〟

ラヴェル:「ボレロ」(吉川和夫編曲)

◆イベント

みつけた!楽器の正体!

丸シールアート~シールを使って大好きな風景を皆で創ろう!~

おもしろサイエンスショー&コンサート

簡単!プログラミング教室~プログラミングの可能性と楽しさを体験!~

勾玉(まがたま)づくり

プラネタリウムがやってきた

ITものづくり体験

太鼓を叩(たた)こうよ! ほか

◆〝ボレロ〟大集合コンサート 出演者募集

コンサートの出演者を5月31日まで募集している。

詳細はイベント公式ページを確認

https://www.bolero-bird.com/index.html

筆者プロフィル

 正木裕美(まさき・ひろみ) クラシック音楽の総合情報誌「音楽の友」編集部勤務を経て、現在は仙台市在住。「音楽の友」編集部では、全国各地の音楽祭を訪れるなどフットワークを生かした取材に積極的に取り組んだ。東日本大震災発生後、仙台に移り住み、同市を拠点に東北各地の音楽状況や音楽による復興支援活動などの取材に力を入れている。

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