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京都市で=尾籠章裕撮影

 いつも不意に桜はやってくる。季節が過ぎ去っていても不意にやってくる。

 とうに散り終わったのに、笙(しょう)の透徹した音の中に桜が見えた。響きから無数の桜の花びらがこぼれ落ちてきた。

 主に雅楽で使われる笙は細い管を縦に集めた不思議な楽器だ。顔の真ん中が隠れるように当てて吹き口に息を出し入れすることで鳴らす。初めに耳に入ってくるときには小さな音が寂しく響くのに、やがてふくよかに広がる。ヨーロッパの音に慣れた耳には不協和に響くが、その雑味がいつの間にか静けさに化している。楽器の特性もさることながら、このような感覚はその夜の笙の吹き手、宮田まゆみの醸し出すものなのかもしれない。あるいは、細川俊夫の笙のための曲がそう感じさせるのか。

 下野竜也指揮の広島交響楽団が新たに始めた「ディスカバリー・シリーズ」第1回で、ベートーベン《交響曲…

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