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アンコール

東京二期会《サロメ》 成功した室内楽的空間=評・大木正純

=林喜代種撮影

 東京二期会がリヒャルト・シュトラウスの《サロメ》を上演した。まず何はともあれ、読売日本交響楽団の持てる能力をフルに引き出し、歌手勢もすみずみまで掌握した指揮者セバスティアン・ヴァイグレの恐るべき手腕を特筆しておきたい。その透徹したリーダーシップのもと、ライトモチーフをちりばめたスコアの雄弁さも、それ以上に、幕開けの瞬間から終始一貫して続く圧倒的な音楽の美しさも、今回は改めて痛感させられた思いがする。《サロメ》というと、強い声や大音響が飛び交うイメージもある。が、歌手たちの声量も計算に入れてのことだろう、彼が目指したのはおそらく室内楽風と言ってもよい、有機的なアンサンブル空間だ。それも成功の要因だと思う。

 組まれたダブルキャストは外来なしの純国産。初日A組の標題役、森谷真理は、突き抜けるような威力こそないがよく通る声と切れの良い演技で、タフな役を見事に全うした。大沼徹(ヨカナーン)も声のすごみではなく、的確な役作りで応戦する。さらに池田香織(ヘロディアス)の張りのあるメゾ、今尾滋(ヘロデ)の性格俳優的な存在感など、主役クラスのバランスに不満はない。

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