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必聴!

躍進に期待 東京シティ・フィルが藤岡幸夫のポスト就任披露公演を開催

東京シティ・フィルの首席客演指揮者に就任した藤岡幸夫 (C)青柳聡

 4月に藤岡幸夫を首席客演指揮者に迎えた東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が、7月26日に東京オペラシティコンサートホールで就任披露公演を開催する。曲目はシベリウスの交響詩「大洋の女神」、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」、そして藤岡の十八番ともいえるウォルトンの交響曲第1番。「ブエノスアイレスの四季」ではソロ・ヴァイオリンを含むデシャトニコフの編曲版を使用し、神尾真由子がソリストとして華を添える。早くも両者の意気込みと攻めの姿勢が伝わる意欲的なプログラミングから、今後の展開が予見できるようだ。

 藤岡と同フィルとの初協演は、藤岡が日本デビューを果たしてからおよそ10年、2005年にさかのぼる。藤岡は同フィルについて「やりたいことに真摯(しんし)に応えてくれるオーケストラで絶対に冷めた感じにならず熱い。余計なことを考えずにやりたいことを指揮台で出すことができ、打てば響くオーケストラ」と語っている。

藤岡と東京シティ・フィル=第308回定期公演より (C)金子力

 近年、両者はピアノとパーカッション、サクソフォンを伴う吉松隆の「サイバーバード協奏曲」や、千住明のオペラ「万葉集」、そしてエルガーの交響曲第1番など、特に邦人作品や藤岡にゆかりの英国作品を積極的に取り上げ、協演を重ねてきた。ここ最近、レアな作品を取り入れた意欲的なプログラミングが日本の楽壇でもトレンドの一つになりつつあるが、それ以前に彼らがこうしたプログラムに取り組み、相性の良さを発揮してきたことは、特筆すべきだろう。今後も両者はこの路線を継承し、芥川也寸志の交響曲第1番(8月、フェスタサマーミューザKAWASAKI)、ヴォーン=ウィリアムズの「富める人とラザロ」の5つのヴァリアントや伊福部昭の舞踊曲「サロメ」(11月定期)など、英国や日本の作曲家の作品を含むプログラムを予定している。

 東京シティ・フィルは1997年の飯守泰次郎の常任指揮者(現在は桂冠名誉指揮者)就任を機に、着実に技術と音楽性を磨き、2015年に飯守の後を継いだ高関健のもとでアンサンブル力を飛躍的に向上させ、在京オーケストラとしての存在感を増してきた。ポストを新設してまで藤岡を迎え入れたことで、「オーケストラの音楽性の向上はもちろん、さまざまなニーズに応えられるオールラウンドなオーケストラを創っていきたい」(事務局談)という思いがあるようだ。シベリウス、ピアソラ、ウォルトンと、早くもオールラウンドな兆しを見せる今回のプログラム。藤岡のポスト就任後初となる今回の公演は、言うまでもなく、いつにも増して熱演となるに違いない。(正木裕美)

公演詳細

第326回定期演奏会【藤岡幸夫首席客演指揮者就任披露公演】

7月26日(金)19:00 ※18:40~藤岡幸夫によるプレ・トーク

東京オペラシティ コンサートホール

指揮:藤岡幸夫

ヴァイオリン:神尾真由子

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

シベリウス:交響詩「大洋の女神」Op73

ピアソラ(デシャトニコフ編曲):「ブエノスアイレスの四季」

ウォルトン:交響曲第1番 変ロ短調

筆者プロフィル

 正木裕美(まさき・ひろみ) クラシック音楽の総合情報誌「音楽の友」編集部勤務を経て、現在は仙台市在住。「音楽の友」編集部では、全国各地の音楽祭を訪れるなどフットワークを生かした取材に積極的に取り組んだ。東日本大震災発生後、仙台に移り住み、同市を拠点に東北各地の音楽状況や音楽による復興支援活動などの取材に力を入れている。

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