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千葉県勝浦市で=尾籠章裕撮影

 「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」に展示されていたル・シダネルの「雪」とルノワールの「画家の庭」を見ていて、なぜか、絵の中へ入りたくなった。季節は冬と夏の真反対で、当然、描かれている光景も異なる。

 ル・シダネルの絵は遠くから眺めれば画面一面に降りしきる雪の粉しか見えないだろう。夕闇か、暗雲が垂れ込めているのか、広場に面した建物も、石畳も薄暗いが、白い雪のヴェールがかかっている。広場の井戸を囲う屋根にはやわらかく白が積もり重なっている。左奥に、2階の窓のひとつが部屋の明かりを橙(だいだい)色に浮かび上がらせて近くの雪をほのかに染めているほかは、ひっそりと静まり返っている。明かりのついた窓の下は左奥へゆるやかに下る道になっているようだが、その先は暗く沈んで、見えない。

 広場を歩けば足元に雪がしみ込んで冷たくぬれるに違いないが、左奥のゆるやかな坂を下って奥へ入っていきたい気持ちになる。時の止まったその光景には、わびしい要素しかないのに、雪がどこか温かい。

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