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バイロイトの《タンホイザー》 文化全般の対立を視野に=梅津時比古

=バイロイト音楽祭提供

 広い野や森を縫う一本道を、上空からドローンで見たような映像が追う。やがて映像は道を走る一台の灰色の古いバスに焦点が絞られ、道から大空を見上げる視点に切り替わる。管弦楽が静かに立ち上がって地の底から徐々にせり上がり、やがて天に達するように響く。ここは映画館ではなく、この夏のドイツ・バイロイト祝祭劇場。上演されているのは、指揮のゲルギエフ、演出のクラッツァー共にバイロイト・デビューとなったワーグナー《タンホイザー》である(7月28日所見)。

 まるで映画のように始まった長い序曲の間に、驚くべき場面が次々に起こる。ヴェーヌスを除けばワーグナーの台本とおよそ関係の無いバラエティーショーの一連がバスに乗っている。黒人の華やかなニューハーフ、太鼓を持った小人、タンホイザーという名のピエロ。彼らはワーグナーが若き無政府主義者だったころの言葉「欲望の自由、行動の自由、楽しみの自由」を旗に掲げている。ハンバーガーやガソリンを盗み、警官に見つかるとひ…

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