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アンコール

OMFの《エフゲニー・オネーギン》 かみ合わぬ悲しみ刻印=評・梅津時比古

撮影=大窪道治(2019OMF)

 今夏のセイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)のオペラ公演に小澤征爾の登場はなかったが、ファビオ・ルイージの指揮の下、充実した質の高い公演を堪能することができた。演目はチャイコフスキー《エフゲニー・オネーギン》。

 このオペラを過剰にロマン的にとらえると、主人公の無為徒食の若い貴族、オネーギンへの片思いをタチヤーナが手紙につづる有名な「手紙の場」の比重が大きくなる。しかしルイージはあらゆる楽節一つ一つからさまざまな色合いを引き出し、全編にこのオペラのロマン性だけではない本質を刻印することに成功した。それは人と人の気持ちが通じ合わない「齟齬(そご)」から引き起こされる索漠とした悲しみであろう。チャイコフスキーの丹念な表現がこの作品においては…

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