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必聴!

10月の注目公演「Celloが語る平家物語」「マエストロと新星が紡ぐストーリー」

 今年10月に開催される演奏会の中から注目のステージを2題、紹介する。

    Franz Bartolomey(c)Ch. Hellhake

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    【TRAGOEDIA 悲劇~Celloが語る平家物語~】

     「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり……」の有名な一節で始まる「平家物語」。

     日本を代表する古典文学の世界観をウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の元首席チェリストであるフランツ・バルトロメイが奏でる異色のコンサート、「TRAGOEDIA(トラゴーディア) 悲劇 ~Celloが語る平家物語~」が10月19日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で開催される。

    井上鑑

     「TRAGOEDIA(トラゴーディア)」とはラテン語で「悲劇」を意味する単語。平家一門の栄枯盛衰の悲劇をベースに作・編曲家の井上鑑(あきら)氏がチェロ独奏と薩摩琵琶(さつまびわ)、鼓(つづみ)によるアンサンブル作品として書き下ろした新作がお披露目される。

     バルトロメイはウィーン・フィルの首席奏者時代から日本とヨーロッパ文化、とりわけドイツ・オーストリア圏の音楽芸術との交流、融合に力を注ぎ箏(そう、琴)や尺八などの邦楽楽器とのコラボレーションや滝廉太郎の「荒城の月」をはじめとする日本の名歌曲の演奏に積極的に取り組んできた。それらの集大成となる一大プロジェクトが「平家物語」への挑戦となる。

    須田誠舟

     今回、新作を創作した井上は大滝詠一、寺尾聡、福山雅治らの大ヒット曲を数多く手掛けた名アレンジャーとしてポップス界では有名な存在であるが、CM音楽や現代クラシック音楽の作曲家としても独自の活動を展開している。早くから琴をはじめとする邦楽楽器を自らの表現の中に取り込む作風を確立。その井上がチェロと薩摩琵琶、そして鼓という異例の編成の作品にチャレンジしたわけだが、単にジャンルの超越という視点にとどまることなく、チェロと琵琶それぞれの美点を存分に引き出し掛け合わせた作品に仕上がっているそうだ。例えば「平家物語・小敦盛」が琵琶によって切々とした調子で語られ、その一方で北欧神話や騎士伝説などにもつながる「平家物語」の悲劇がバルトロメイの名人芸によって美しく、そして時にはドラマチックに紡がれていくのだという。

     バルトロメイは2013年にも邦楽楽器とコラボレーションした井上の作品に取り組んだ経験があり、両者は深い信頼関係で結ばれていることから今回の意欲的な試みが実現することになった。

     なお、バルトロメイは10月16日に王子ホール(東京・銀座)で箏との共演によるコンサート「箏とチェロの融合」(箏:榎戸二幸)、翌17日には横浜みなとみらいホールで、バッハやメンデルスゾーン、シューマンらの作品を取り上げるチェロ・リサイタル(ピアノ:後藤泉)も開催する。

    石田克佳

    公演データ

    【TRAGOEDIA(トラゴーディア)悲劇~Celloが語る平家物語~】

    10月19日(土)15:00 セルリアンタワー能楽堂

    作曲:井上 鑑

    チェロ:フランツ・バルトロメイ

    琵琶:須田 誠舟 石田 克佳

    鼓:藤舎 花帆

    藤舎花帆

    ☆問い合わせ

    「ブライトワン」

    電話 03・5485・3802 Fax 03・6805・0579

    メール:info@bright-one.co.jp

    「チケットぴあ」

    電話 0570・02・9999(Pコード780-590)

     

      

     

    【日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン Vol.11~マエストロと新星が紡ぐストーリー】

     国内外の一流アーティストやオーケストラが毎日入れ代わり立ち代わり公演を行う〝ひのき舞台〟サントリーホールでプロのオーケストラと共演する。これは若手音楽家にとって間違いなく大きな目標のひとつであり、夢であったりもする。それをわずか14歳にして実現させる期待のチェリストが現れた。現在、中学3年生の鳥羽咲音である。日本フィルハーモニー交響楽団とサントリーホールが共催する平日午後に開かれるコンサートシリーズ「とっておきアフタヌーン」の10月8日に開かれる公演にソリストとして登場し、沼尻竜典の指揮でチャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」を演奏する。

    「とっておきアフタヌーン」に出演する(左から)沼尻竜典(指揮)、鳥羽咲音(チェロ)、政井マヤ(ナビゲーター)

     鳥羽は2005 年3 月生まれの中学3年生。父はヴァイオリニスト、母はピアニストという音楽一家に育ち、5 歳より桐朋学園子供のための音楽教室に入室しピアノを始め、6 歳から元読売日本交響楽団のソロチェリストで桐朋学園大学教授の毛利伯郎に師事しチェロを本格的に学んできた。第33 回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール弦楽器中学生の部第1 位、第18 回泉の森(大阪府泉佐野市)ジュニアチェロコンクール中学生の部金賞など数々のコンクールで好成績を残しており、アントニオ・メネセス、ダヴィド・ゲリンガスら世界的名チェリストのマスタークラスに参加し高い評価を得ている。

     今回のサントリーホールデビューについて鳥羽は「私が〝ロココ風の主題による変奏曲〟の練習を始めたのは1年前のことです。チャイコフスキーのバレエ音楽が大好きなので〝ロココ風……〟もとても楽しく練習しています。サントリーホールは初めてですが、2000人収容の大きなホールなので、たくさんの方にお聴きいただければ、と思います」と語っている。若い才能の瑞々しい熱演が期待される。

    (宮嶋 極)

    鳥羽のサントリーホールデビューで協演する日本フィル (C)堀田力丸

    公演データ

    【日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン Vol.11~マエストロと新星が紡ぐストーリー】

    10月8日(火)13:30 サントリーホール大ホール

    指揮:沼尻 竜典

    チェロ:鳥羽 咲音

    管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

    ナビケーター:政井 マヤ

    プロコフィエフ:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より

    チャイコフスキー:「ロココ風の主題による変奏曲」Op.33

    ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

    ☆問い合わせ

    「日本フィル・サービスセンター」

    電話 03・5378・5911 Fax 03・5378・6161(平日10~17時)

    「サントリーホールチケットセンター」

    電話 0570・55・0017(10~18時、休館日を除く)

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