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新・コンサートを読む

トリエステ・ヴェルディ歌劇場の≪椿姫≫ 孤独と夢の溶け合う白い花=梅津時比古

=林喜代種撮影

 椿(つばき)は赤い花が多く、白い花は少ない。

 子供のころ読んだ絵本に、病床の母が、脇に一人で立つ少年に「白い花の椿の木の下に宝物が埋まっている」と言い残す物語があった。少年は探し歩き、ようやく白い椿を見つけて金銀を掘り当て、一人で暮らす糧を得る。母の愛と、孤独と、夢が溶け合っていて、今も、白い椿を見ると、木の下の宝物の夢と、寂しさがよぎる。

 ヴェルディのオペラ≪椿姫≫のイタリア語の原題は≪ラ・トラヴィアータ(道をはずれた女)≫。しかし、デュマ・フィスがパリの高級娼婦(しょうふ)を主人公にした小説≪椿を持つ女≫をオペラ化しているので、邦訳名は、より原作に近い。彼女は白い椿を好み、赤い花を飾ることは少なかったと描写されている。オペラの中でも第1幕で高級娼婦のヴィオレッタがアルフレードに「この花がしおれるころにまたお会いしましょう」と花を…

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