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先月のピカイチ 来月のイチオシ

名演だったゲルギエフ&マリインスキー「マゼッパ」……19年12月

筆者4人中3人がピカイチに挙げたマリインスキー歌劇場の「マゼッパ」 (C)N.Ikegami

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 毎日、あちこちのホールで開かれているコンサート。どんな名演があったのか、これから何を聴けばいいのか……。道しるべがほしいところ。そこで、毎月数多くの公演に足を運び、耳を傾けているコンサートゴアーに、1カ月で最も印象に残った演奏と、これから1カ月で聴き逃せないプログラムを紹介していただこう。

 第1回は、2019年12月に開かれた公演の中から「ピカイチ」と「次点」、20年2月に開かれる公演の中で「イチオシ」と「次点」を、音楽評論家の東条碩夫さん、音楽ライターの柴田克彦さん、音楽ジャーナリストの毬沙琳さん、宮嶋極さんに選んでもらった。

東条碩夫・選

〈チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー歌劇場「マゼッパ」〉

2019年12月2日(月) サントリーホール

ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)/マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団/ウラディスラフ・スリムスキー(マゼッパ)/スタニスラフ・トロフィモフ(コチュベイ)/アンナ・キクナーゼ(リュボフ)/マリア・バヤンキナ(マリア)/エフゲニー・アキーモフ(アンドレイ)他

チャイコフスキー:歌劇「マゼッパ」(コンサート形式)

ヴァレリー・ゲルギエフのタクトで上演された「マゼッパ」 (C)N.Ikegami

〈いずみホール・オペラ2019「ピグマリオン」〉

2019年12月14日(土) いずみホール

寺神戸亮(指揮)/レ・ボレアード/クレマン・ドビューヴル(ピグマリオン)他

リュリ:「アティス」「町人貴族」「アルミード」

ラモー:「ピグマリオン」

「ピカイチ」は日本ではなじみのない歌劇「マゼッパ」を劇的に、この上なく面白く聴かせた演奏会。ゲルギエフの音楽的演出の巧みさを示した名演。「次点」はバロックオペラをダンス入りでセミステージ化した卓抜な企画。

東条碩夫・選

〈東京都交響楽団 都響スペシャル&定期演奏会〉

2月2日(日) サントリーホール、3日(月) 東京文化会館大ホール

フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)/東京都交響楽団/栗友会合唱団

ラモー:オペラ=バレ「優雅なインドの国々」組曲

ルベル:バレエ音楽「四大元素」

ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

都響への客演は2016年4月以来となるフランソワ=グザヴィエ・ロト (C)Rikimaru Hotta

〈オペラ「松風」(新演出)〉

2月15日(土)、16日(日) JMSアステールプラザ中ホール

川瀬賢太郎(指揮)/岩田達宗(演出)/広島交響楽団/半田美和子(松風)/藤井美雪(村雨)他

細川俊夫:オペラ「松風」(ドイツ語上演日本語字幕付き)

先鋭的かつ鮮烈な指揮表現で人気を集めるパリ生まれの指揮者ロトが都響に客演、バロックから現代までのバレエ音楽を手がけるのが聴きもの。細川俊夫の「松風」は女性の哀(かな)しい愛を描く幻想的な物語で、能舞台での上演が面白い。

柴田克彦・選

〈チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー歌劇場「マゼッパ」〉

2019年12月2日(月) サントリーホール

ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)/マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団/ウラディスラフ・スリムスキー(マゼッパ)/スタニスラフ・トロフィモフ(コチュベイ)/アンナ・キクナーゼ(リュボフ)/マリア・バヤンキナ(マリア)/エフゲニー・アキーモフ(アンドレイ)他

チャイコフスキー:歌劇「マゼッパ」(コンサート形式)

ヴァレリー・ゲルギエフのタクトで上演された「マゼッパ」 (C)N.Ikegami

〈ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ〉

2019年12月9日(月) 東京文化会館小ホール

ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ/(リーダー)日下紗矢子

ジェミニアーニ:合奏協奏曲 ニ短調「ラ・フォリア」

ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 RV.208「ムガール大帝」

グリーグ:弦楽四重奏曲 ト短調 Op.27(弦楽合奏版/日下紗矢子編)他

マリインスキー・オペラの「マゼッパ」は、雄弁で推進力に富んだゲルギエフの指揮のもと、高精度のオーケストラと全員高水準の歌手たちによる迫真の名演が終始続き、レア演目の捨てがたい魅力を実感させる稀有(けう)の一夜となった。ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラは、日下紗矢子の好リードによって表現意欲にあふれたアグレッシブな演奏を展開。中でも鮮烈・清冽(せいれつ)なグリーグは室内オケの新たな名曲発見の喜びをもたらした。

柴田克彦・選

〈東京フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会〉

2月19日(水) 東京オペラシティ コンサートホール、21日(金) サントリーホール、23日(日) Bunkamuraオーチャードホール

チョン・ミョンフン(指揮)/新国立劇場合唱団/東京フィルハーモニー交響楽団/マリーナ・コンパラート(カルメン)/キム・アルフレード(ドン・ホセ)/チェ・ビョンヒョク(エスカミーリョ)/アンドレア・キャロル(ミカエラ)他

ビゼー:歌劇「カルメン」(演奏会形式)

東京フィル定期で「カルメン」を振るチョン・ミョンフン (C)上野隆文

〈久石譲&フューチャー・オーケストラ・クラシックス Vol.2〉

2月13日(木) 東京オペラシティコンサートホール

久石譲(指揮)/福川伸陽/豊田実加/藤田麻理絵(ホルン)/Future Orchestra Classics

アルヴォ・ペルト:フェスティーナ・レンテ〜弦楽合奏とハープのための

久石譲:ホルンと室内オーケストラのための新作

ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68

〝オペラ指揮者〟チョン・ミョンフンが振る「カルメン」は待望の演目。2004年藤原歌劇団の公演(演奏はフランス放送フィル)が色彩感と生気みなぎる快演だっただけに、近年の「蝶々夫人」「フィデリオ」で感動的ドラマを紡いだ東京フィルとのコラボへの期待は大きい。〝ロックのようなベートーヴェン〟で高評価を得た久石譲と名手ぞろいのオーケストラが、今度はブラームスでいかなる衝撃を与えてくれるのか? こちらも見逃せない。

毬沙琳・選

〈チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 マリインスキー歌劇場「マゼッパ」〉

2019年12月2日(月) サントリーホール

ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)/マリインスキー歌劇場管弦楽団・合唱団/ウラディスラフ・スリムスキー(マゼッパ)/スタニスラフ・トロフィモフ(コチュベイ)/アンナ・キクナーゼ(リュボフ)/マリア・バヤンキナ(マリア)/エフゲニー・アキーモフ(アンドレイ)他  

チャイコフスキー:歌劇「マゼッパ」(コンサート形式)

筆者4人中3人がピカイチに挙げたマリインスキー歌劇場の「マゼッパ」 (C)N.Ikegami

〈都響スペシャル〉

2019年12月14日(土) サントリーホール

アラン・ギルバート(指揮)/東京都交響楽団

マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」

「マゼッパ」は、歌手たちの自在な動きと雄弁な音楽を創るゲルギエフのタクトで、演奏会形式ということを感じさせない濃密な公演。日本初披露となる作品の魅力と歌劇場の底力に得心が行った。都響のマーラ―は数々の名演に接してきたが、アラン・ギルバートはオーケストラの自発性を最大限に引出し〝狂気と愛〟に貫かれた「悲劇的」に新しさを加えた。終演後熱狂冷めやらぬ観客にコンサートマスターを伴って応える姿が印象的。

毬沙琳・選

〈東京都交響楽団 都響スペシャル&定期演奏会〉

2月2日(日) サントリーホール、3日(月) 東京文化会館大ホール

フランソワ=グザヴィエ・ロト(指揮)/東京都交響楽団/栗友会合唱団

ラモー:オペラ=バレ「優雅なインドの国々」組曲

ルベル:バレエ音楽「四大元素」

ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲

2人がイチオシに挙げるロトの4年ぶり都響への客演 (C)Rikimaru Hotta

〈新国立劇場 ロッシーニ:オペラ「セビリアの理髪師」〉

2月6日(木)〜16日(日) 新国立劇場

アントネッロ・アッレマンディ(指揮)/ヨーゼフ・E・ケップリンガー(演出)/ルネ・バルベラ(アルマヴィーヴァ伯爵)/脇園彩(ロジーナ)/パオロ・ボルドーニャ(バルトロ)/フローリアン・センペイ(フィガロ)/マルコ・スポッティ(ドン・バジリオ)/加納悦子(ベルタ)他

ロッシーニ:オペラ「セビリアの理髪師」

独自のアプローチで話題を呼ぶ指揮者ロトは今回の都響、秋は読響と在京オケへの客演が続く。聴き比べる楽しみもあって1番に。オペラ「セビリアの理髪師」は、05年から度々再演されているプロダクション、新国立劇場初登場のバルベラ、センペイ、ボルドーニャらと脇園彩というロッシーニ作品で活躍中の歌手たちに注目したい。

宮嶋極・選

〈ジョナサン・ノット指揮 東京交響楽団 ベートーヴェン第9特別公演〉

2019年12月28日(土) サントリーホール

ジョナサン・ノット(指揮)/ルイーズ・オルダー(S)/ステファニー・イラーニ(MS)/サイモン・オニール(T)/シェンヤン(B)/東響コーラス/東京交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調Op.125 「合唱付き」

ジョナサン・ノットと東響による「第九」公演 撮影:平舘平 提供:東京交響楽団

〈都響スペシャル〉

2019年12月14日(土) サントリーホール

アラン・ギルバート(指揮)/東京都交響楽団

マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」

ノット&東響の第9については当サイト・アンコールに詳細を記したが、現代オーケストラがピリオド奏法の要素を取り入れた演奏の〝進化形〟ともいうべき画期的な第9と感じた。次点のギルバート&都響のマーラー6番は骨太の表現とステージから発散される熱気とエネルギーに圧倒された。

宮嶋極・選

〈アンネ=ゾフィー・ムター ~ベートーヴェン生誕250周年記念~〉

2月20日(木)「協奏曲」、22日(土)「室内楽」、24日(月・休)「リサイタル」

アンネ=ゾフィー・ムター(Vn)/イェウン・チェ(Vn)/ウラディーミル・バベシコ(Vla)/ダニエル・ミュラー=ショット(Vc)/ランバート・オルキス(Pf)/クリスティアン・マチェラル(指揮)/新日本フィルハーモニー交響楽団

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61/ピアノとヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲ハ長調Op.56/弦楽三重奏曲変ホ長調Op.3/弦楽四重奏曲第10番変ホ長調Op.74「ハープ」/ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」他

デュオから協奏曲まで、さまざまなジャンルでベートーヴェンの魅力に迫るアンネ=ゾフィー・ムター (C)サントリーホール

〈国際音楽祭NIPPON2020 諏訪内晶子&ニコラ・アンゲリッシュ デュオ・リサイタル〉

2月14日(金) 東京オペラシティコンサートホール、2月15日(土) 三井住友海上しらかわホール

諏訪内晶子(Vn)/ニコラ・アンゲリッシュ(Pf)

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」/ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」他

ベートーヴェン生誕250年のメモリアルイヤー。内外アーティストの特別企画が目白押しの中、海外アーティストの先陣を切る形のサントリーホール特別企画。ヴァイオリン界の女王ムターがジャンルを網羅する形で彼女ならではの優美なベートーヴェン像を描き出してくれることが期待される。一方、世界的ヴァイオリニスト諏訪内との〝競演〟にも注目したい。

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