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小林研一郎が80歳記念チャイコフスキー全交響曲チクルス 4月・サントリーホール

80歳を迎える4月にチャイコフスキー全交響曲チクルスに挑む小林研一郎(C)K.Miura

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 情熱あふれる指揮で世界的な活躍を続け、「コバケン」の愛称で親しまれている小林研一郎が、80歳の誕生日の4月9日をはさんだ1週間、東京・サントリーホールでチャイコフスキーの全交響曲連続演奏会に挑む。オーケストラは、桂冠名誉指揮者を務め「私の命綱」と信頼する日本フィルハーモニー交響楽団。小林は「これまでのイメージを一新するような、チャイコフスキーの苦しみの大叙事詩をお見せできれば」と意気込んでいる。

 古希の70歳はマーラー交響曲第2番「復活」、喜寿の77歳はベートーヴェン交響曲第7番で迎えた小林が、傘寿に選んだのはベートーヴェンと並んで愛してやまないチャイコフスキーだ。今年はちょうどチャイコフスキー生誕180年に当たる。「夜中に起きて、母が書いてくれた五線譜に向かい、『どうやったら作曲家になれるのだろう』と、暗闇の中勉強していた」。福島・いわきで生まれ育った小林にとって、幼いころの体験が、チャイコフスキーにのめり込む契機だった。「雪国の雪の白さに、真っ赤に吐血された嘆き。そういったものが積み重なって、チャイコフスキー独特のペシミスティックな世界、暗く沈鬱なメロディーに対するこだわりができていった」と明かす。

 全交響曲録音はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(2013~15年リリース)と手がけたが、全曲演奏会は初めて。「1番から2番へ続けて聴くと、救いようのない苦しみの世界が深まる様子がわかる。1日でベートーヴェンの交響曲を全て終えるすごさにも通じる」。大みそかの東京文化会館「ベートーヴェンは凄い! 全交響曲連続演奏会」は、小林がベートーヴェン愛をささげてきた恒例イベントだ。

 年齢を重ねても、音楽への向き合い方は真摯(しんし)そのものだ。「『ああこうだな』と気づいた瞬間に『違う!』という声が必ず聞こえてくる。いいものを得たと思ったときにこそ危険が存在する、と自分を戒めるタイミングにしている」という小林。相撲好きなだけに、初場所での徳勝龍の優勝インタビューに重ねて、「彼は『まだ33歳です』と言ったが、私もまだ80歳。ここから階段を上り詰めたときに見える、もう一つの輝かしい世界に期待しながら、楽譜に込められた行間の宇宙を読み解く勉強を続けていきたい」と話す。演奏会は2時間近く指示を与え続ける体力勝負だ。「肉体的にも精神的にもずばぬけていた父がいなかったら、こんな年齢まで指揮はできなかった。両親の大きな力が私の体を支えてくれている」と付け加えた。

 「炎のマエストロ」と呼ばれて久しいものの、小林は「恥じらいを覚える」という。「静けさが中心にあるからこそ、炎が瞬く。破裂しそうな音ではなく、空気に溶けていくような音こそが僕の人生。だけど、その対岸にあるような常識を越えた活火山のようになれたらいいな、という強い思いはあります」

 プログラムは、4月7日=交響曲第1番「冬の日の幻想」、第4番▽9日=第2番「小ロシア」、第5番▽10日=第3番「ポーランド」、第6番「悲愴」▽11日=ピアノ協奏曲第1番(ピアノ上原彩子)、マンフレッド交響曲▽12日=ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン神尾真由子)、序曲「1812」など。大阪公演(3月7日=大阪フィルハーモニー交響楽団、4月5日=関西フィルハーモニー管弦楽団)、名古屋公演(3月22日=名古屋フィルハーモニー交響楽団)もある。チケットはチケットぴあなどで発売中。問い合わせは実行委員会(03・6721・1792)。

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