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東京都品川区で=尾籠章裕撮影

 2月30日に会う約束をした。

 30年以上前にさかのぼる。ドイツ・ケルン音大に各国から来ていた学生たちに別れが近づいていた。少し年上の私と一番若い学生の一人が帰国することになっていたので、オペラや歌曲、バイオリンソナタもある最後の病院コンサートを行う日に、何十年後かにケルンでまた会おう、と5、6人の仲間で話していた。「再会するときには劇的にしなければ」と演出家志望の男子学生が言った。フィンランドのソプラノが「ライン川にかかるケルンの長い橋を両側から歩いてきて真ん中で会いましょう」と私に言った。

 病院コンサートなので、リハーサルは近くの文化会館を借りた。取りまとめるのは声楽の老教授。混声4部などで微妙にハーモニーが狂うと、批評家志望の私に声をかけ、直させる。ケルンの長い橋を思い浮かべていたからか、歌っているフィンランドのソプラノとしばしば、目があった。「どっち見て歌ってるんだ!」と老教授の怒声が飛んだ。

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