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新・コンサートを読む

東京交響楽団 川崎定期演奏会第76回 現れた谷川の水=梅津時比古

=星ひかる撮影(東京交響楽団提供)

 オーケストラの楽団員のチューニングが始まる。オーボエがA(ラ)の音を吹き、各楽器がパートごとに音程を合わせてゆく。何でもないオーケストラの開演前の風景のはずだが、気のせいか、そのほんの数分間を団員ひとりひとりしみじみと大切にしているように聞こえた。

 新型コロナ禍の3カ月ほどの空白を経て、東京交響楽団が川崎定期演奏会第76回を、聴衆を入れたコンサートとして再開した(6月28日、ミューザ川崎シンフォニーホール)。

 ヨーロッパから来日が予定されていた指揮者とピアニストはコロナ関連の制限によって出入国が不可能になったため、新たに飯守泰次郎と田部京子が加わった。弦楽器奏者は列の前後を1・5メートルあけ、管楽器奏者以外は全員グレーのマスク姿。指揮者の飯守は一人、黒いマスクで全体が締まる。客席は距離をあけて飛び飛びに指定されている。

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