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アンコール

在京オーケストラの演奏会再開<3> ~佐渡裕&東京フィルハーモニー交響楽団

当初していた演目は10月に移行し、佐渡の指揮で7月定期を行った東京フィル=写真は17日、オペラシティでの公演 提供:東京フィルハーモニー交響楽団

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 首都圏に本拠を置くオーケストラの演奏会再開に関するリポート、3回目は佐渡裕指揮、東京フィルハーモニー交響楽団のサントリーホール定期(7月15日)。ベートーヴェンの序曲「コリオラン」と交響曲第7番が披露された。弾く喜び、聴く喜びをしみじみと感じさせてくれたコンサートの模様を感染対策と合わせて報告する。

(音楽ジャーナリスト 宮嶋 極)

【佐渡裕指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 サントリー定期シリーズ】

 聴衆の入場に関して東京フィルもマスクの着用、手指消毒を義務付け〝もぎり〟を行わないなどの対応を実施。前述2団体と少し異なっていたのはステージを取り囲むLA、 RA、P席に座席の前後左右を空けて聴衆を収容していたこと。さらに事前配布した座席券に聴衆自身が氏名、連絡先を記入し退場時に回収。後々もし感染者が出た場合の連絡態勢を整備していたことが注目される。

 オーケストラの編成は第1ヴァイオリン12人、第2が10人、ヴィオラが8人であったがチェロも8人、コントラバスが6人と低音を厚めにした布陣。通常であれば第1が12人ならチェロは6人、コントラバスは4人となる。恐らく佐渡の考えなのであろう。各オケともにステージ上の「密」を避ける感染対策で編成を絞っている中、こうした細かいところに着目すると指揮者の考えやオーケストラの方針が透けて見えるのも面白い。

来場者に入場券へ連絡先を記入してもらうことで、後々もし感染者が出た場合の連絡体制を整えた

 重心の低いサウンドをベースに紡ぎ出されたベートーヴェンは小編成ながらも堂々たる風格を漂わせるものであった。筆者が考える東京フィルの魅力は、各プレイヤーが前のめりになるほどの熱演を繰り広げて聴衆の心に強く訴えかけるスタイルである。この日は同じく熱いパッションを身上とする佐渡のタクトに導かれて、気持ちのこもった演奏を聴かせてくれた。終演後、同団第2ヴァイオリンの戸上眞里・首席奏者がツイッターに「コロナ禍で大変な思いをしていらっしゃる方がたくさんおられる中、自分達は演奏を再開出来て嬉しいなどと言ってはいけないと思いますが、今日ベートーヴェンを演奏してる間やはりどうしても喜びが溢れてしまいました。同僚の皆からもその想いが感じられてその演奏からもやはり喜びが溢れていました」(原文のまま)と投稿しているのを見つけた。まさにこのツイートの言葉通りの喜びに満ちあふれたコンサートであった。私たち聴く側も広いホールでオーケストラの素晴らしいサウンドを生で聴くことができる喜びをかみしめながら、一音一音を大切に慈しむように耳を傾けた。なお、この日のコンサートマスターは三浦章宏。

 

公演データ

【佐渡裕指揮 東京フィルハーモニー交響楽団 第940回サントリー定期シリーズ】

7月15日(水)19:00 サントリーホール

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調Op.62

ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92

筆者プロフィル

 宮嶋 極(みやじま きわみ) 毎日新聞グループホールディングス取締役、番組・映像制作会社である毎日映画社の代表取締役社長を務める傍ら音楽ジャーナリストとして活動。「クラシックナビ」における取材・執筆に加えて音楽専門誌での連載や公演プログラムへの寄稿、音楽専門チャンネルでの解説等も行っている。

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