生誕250年となるベートーヴェン。多くの名作を生みだした偉大な作曲家の記念年には、本来ならたくさんの企画が目白押しのはずでしたが、このコロナ禍、中止や変更を余儀なくされたものも多くあります。今月ご紹介する室内楽2公演も、当初に予定していた小ホールから大ホールに会場を変え、開催します。
まず21日は前橋汀子カルテット。音楽界のトップを走り続けるバイオリニスト前橋が、同じく日本のトッププレーヤーたちと結成した弦楽四重奏です。初期(4番)、中期(11番「セリオーソ」)、後期(14番)と、ベートーヴェンの音楽変遷をたどるように組まれたプログラムは、熟練の奏者たちの音楽性が凝縮されたアンサンブルになること間違いありません。
次の日には、2018年のミュンヘン国際音楽コンクールピアノ三重奏部門で優勝し、注目の的となった俊英たち「葵トリオ」。びわ湖ホールには「近江の春2019」に続き2度目の登場です。若さと情熱あふれるトリオが、ピアノ三重奏のなかでもとりわけ名曲である「大公」(第7番)を含む3曲を披露します。ベートーヴェンの作品をおのおのの魅力あふれるアンサンブルで聞く2公演。お楽しみに。(事業部 古川恵理)
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