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音のかなたへ

ベートーベンが見た夢

東京都千代田区で=尾籠章裕撮影

 8月のこの欄で、人工知能(AI)には、音にまつわる思い出のような領域の評価は難しいのでは、と書いたところ、そこを専門に研究しているという方から連絡をいただいた。

 その人によると、たとえばベートーベンが就寝中どのような夢を見ていたか、AIで再現できるという。信じられないが、ベートーベンが残した手紙や、耳が聞こえなくなって使った会話帳などすべてのデータを最高度のコンピューター頭脳に入れ、彼が作曲した作品から、主題が展開し、あるいは変奏されるとき、どの程度に意表を突くかなどを分析した複雑な「夢化率」を適用すると、彼が見た夢のいくつかが浮かび上がるという。

 確かに、なぜこんな夢を見たのだろう、と考えると、前日の会話の端から思わぬ世界が広がっていた、と気づくことがある。マフラーの一言から、雪野原を小学校の時のクラスの女の子がマフラーを巻いて歩いている姿につながってゆく。

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