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音のかなたへ

  • 正月の青空の真上

     「私たちはクリスマスだけど、日本の楽しみはお正月ね」と、親しくしていた3人のドイツのおばさんは皆そう言った。一人は祖母の弟とドイツで結婚して日本に来たエルマさ…

  • ゴーシュがウィーンに

     宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の冒頭に、オーケストラの練習の情景が描かれている。ゴーシュが楽団長の指揮者から激しく注意されたとき、ほかの団員は自分の楽譜をの…

  • 新古今集とお弁当

     あるアマチュアオーケストラの演奏に、プロフェッショナルのオーケストラでは味わえないような感動を覚えたので、練習を見に行ったことがある。 練習は土日。国語の先生…

  • 「さくらー」の「らー」

     誘われたとき、あまり気乗りはしなかった。趣旨は、どんなものでも、瓶でも鉛筆箱でも楽器にして楽しむコンサートということであった。同じような意図で立派に活動して、…

  • どこから、どこへ

     台風が去った後も、いつまでも風が吹いていた。道の上に散乱している葉っぱや枝が風に吹かれて舞うたびに、台風一過のまぶしすぎる光に刺され、きらめく渦になる。 東京…

  • 落選コンサート

     今日、日本音楽コンクールのピアノ部門の本選が東京オペラシティで開かれる。毎年、開演前から長蛇の列になる。 以前、まだ本選が日比谷公会堂で行われていたころ、聴衆…

  • 第3のほほえみ

     ほほえみには2種類ある。 顔にそよ風が吹きわたるようなほほえみは、かすかに呼び掛けを含んでいるだろう。他人へ、世界へ、あるいは自分自身へ。 顔の筋肉を動かして…

  • 夕星の歌の声

     ドイツ・バイロイト音楽祭でワーグナーの≪タンホイザー≫を見たあと、丘の上の祝祭劇場から吐き出されるように、正装の男女の渦と共に外へ出た。今夏のドイツは暑かった…

  • 絵の中へ入る

     「印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション」に展示されていたル・シダネルの「雪」とルノワールの「画家の庭」を見ていて、なぜか、絵の中へ入りたくなった。季…

  • 梅雨の晴れ間

     梅雨のころ、ぬれた葉っぱに張り付いているカタツムリをよく見かけるが、実際には、カタツムリは水に弱いらしい。体をはみ出す、あんな大きな貝殻を背負っているのに。 …

  • 無いはずの桜

     いつも不意に桜はやってくる。季節が過ぎ去っていても不意にやってくる。 とうに散り終わったのに、笙(しょう)の透徹した音の中に桜が見えた。響きから無数の桜の花び…

  • 始まりと終わり

     始まりと終わりはどこにあるのだろうか。世界の始まりの前は何か、世界の終わりの後はどうなるのか、子どものころからのきりのない問いは、今も解決しない。 平成が終わ…

  • 冬眠する街

     ドイツのモーゼル川沿いの町、ベルンカステル・クースには、中世の神学者、クザーヌスの生家が残っており、その一室はホールになっている。2月末にそこでシューベルトの…

  • 自筆原稿からの音

     久しぶりに会った彼は、少し日に焼けたせいか、引き締まってたくましく見えた。 ぼろぼろに古びて茶色になった箱入りの本をこちらへ差し出した。『ベートーヴェン研究 …

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