
気候変動対策強化へ世界が動き始めました。日本も新たな目標を設定。地球を守るために何が必要でしょうか。
- ピックアップ
- 新着記事
- 基礎からわかる
-
風知草
電気を減らす未来=山田孝男
2022/5/23 02:01注目の連載 -
2019年の台風19号、温暖化で被害5200億円増 英チーム分析
2022/5/18 21:10 -
洋上風力発電、秋田沖で海底調査開始 風車設置への地盤調査
2022/5/18 09:03 -
日照時間全国2位 山梨県が太陽光発電設備の共同購入者の募集開始
2022/5/11 17:41 -
クライメート・ポリティクス
「自国優先」行き着く先は 気候変動の恐怖 ブラジルで起きたこと
2022/5/1 12:00 -
環境問題を自分のことに 50年前の国連会議出席者と若者交流
2022/4/26 05:30 -
キリン「生茶」 プラスチックラベルなしでテスト販売へ
2022/4/25 19:55 -
中小企業の温室ガス排出量開示支援へ 排出量把握も容易に 環境省
2022/4/21 20:54
日本政府が温室効果ガスの排出量を、2030年度までに13年度比で46%削減するという新たな目標を決めた。菅義偉首相(当時)が21年4月、米政府主催の「気候変動に関する首脳会議(サミット)」で表明した。

菅首相は、50年までに排出量を実質ゼロにする方針を掲げている。達成するには、中間地点に当たる30年度の目標を、従来の26%減から大幅に引き上げることが求められていた。
背景には、国内外の情勢の変化がある。欧州が先導する脱炭素化の潮流が強まり、環境問題などに積極的に取り組む企業へ投資する「ESG投資」が広がる。国内企業から「低い目標はビジネスの足かせになる」との声も高まっていた。自然災害も増えている。サミットでは、欧州連合(EU)が1990年比55%減、米国が05年比50~52%減などの目標を示した。日本の数値は、先進国としては物足りないとの指摘もある。
米調査会社ロジウムグループの分析によると、米国が採用した「05年比」に換算した場合、各国の数値は▽英国63%減▽EU51%減▽日本44.5%減▽カナダ45%減――となる。

ドイツの科学者らが参加する国際NGO「クライメート・アクション・トラッカー」は新目標の分析結果を公表。米国の「50~52%減」については、米国に求められる1.5度目標達成のための水準に「5~10ポイント足りない」と分析。日本の「46%減」は「大きな前進」としながらも、1.5度目標に必要な削減幅62%を下回っており、「国際的な期待に応えていない」と指摘する。
「石炭火力削減」COP、異例の具体策
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は11月13日、石炭火力発電の「段階的削減」に向けた努力を加速させることなどを盛り込んだ成果文書を採択した。COPで石炭火力削減のような温室効果ガス排出削減の具体策に踏み込むのは極めて異例。また、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる「産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑える」という目標実現に向けた努力を追求することも明記した。
もっと知りたい
連載
新着記事
-
風知草
電気を減らす未来=山田孝男
2022/5/23 02:01注目の連載 1377文字文芸春秋6月号に、日本のエネルギー基本計画の盲点をつく電力消費抑制の檄文(げきぶん)が載っている。 脚本家、倉本聰(そう)(87)の寄稿「老人よ、電気を消して『貧幸』に戻ろう!」である。同誌は「貧幸」の実践例、アイデアの投稿を読者に呼びかけており、既に反響続々という。 倉本は、かつてテレビドラマ「
-
2019年の台風19号、温暖化で被害5200億円増 英チーム分析
2022/5/18 21:10 723文字2019年10月に東日本の広い範囲に甚大な被害をもたらした台風19号の豪雨による被害額は、地球温暖化の影響で少なくとも40億ドル(約5200億円)増えていたとの分析結果を英国の研究チームが18日発表した。日本で起きた気象災害について、被害額の温暖化影響分を分析した研究は初めてだという。 研究成果は
-
洋上風力発電、秋田沖で海底調査開始 風車設置への地盤調査
2022/5/18 09:03 452文字秋田県由利本荘市沖で17日、国が脱炭素の切り札と位置付ける洋上風力発電の導入に向けた海底調査が始まった。風車の設計を決めるのに必要な地盤調査で、2021年12月の発電事業者決定後、国が主導する初の大型プロジェクトが本格的に動き出した。 この日午前、由利本荘市沖の南方区域では、沖合約4キロの海上に高
-
日照時間全国2位 山梨県が太陽光発電設備の共同購入者の募集開始
2022/5/11 17:41 720文字再生可能エネルギーの普及を後押ししようと、山梨県などは一般家庭向け太陽光発電設備の共同購入事業に乗り出す。県内は晴れの日が多いなどの要因で日照時間が長いが、太陽光発電の普及は進んでいない。設備を一斉に仕入れることで初期費用を抑えるメリットがあるといい、11日から購入希望者の募集を開始した。 総務省
-
クライメート・ポリティクス
「自国優先」行き着く先は 気候変動の恐怖 ブラジルで起きたこと
2022/5/1 12:00 2429文字南米ブラジル南東部リオデジャネイロ州のペトロポリス市で2月中旬、局地的な豪雨によって土砂災害と洪水が発生し、230人超が死亡した。ブラジルでは近年、豪雨の日数が急増している。自国の利益を優先する国が少なくない中で、歯止めがかからない気候変動。そのリスクに真っ先に直面するのは、どのような人々なのか。
-
-
環境問題を自分のことに 50年前の国連会議出席者と若者交流
2022/4/26 05:30 510文字地球環境問題に関する初の政府間会議「国連人間環境会議」が1972年6月にストックホルムで開かれてから50年となるのを前に、東京都港区のスウェーデン大使館で25日、72年の会議出席者と若者らが交流するイベントが開かれ、出席者からは環境問題を自分たちのこととして考えてほしいとの意見が上がった。 この日
-
キリン「生茶」 プラスチックラベルなしでテスト販売へ
2022/4/25 19:55 521文字キリンビバレッジは25日、プラスチックラベルのないペットボトル緑茶飲料「キリン 生茶 紙シール付ラベルレス」を6月7日から首都圏エリアの一部量販店でテスト販売すると発表した。これまで6本パックやケース商品で展開してきたが、単品での販売は初めて。約1カ月のテスト販売を通じて約1トンのプラスチック使用
-
中小企業の温室ガス排出量開示支援へ 排出量把握も容易に 環境省
2022/4/21 20:54 506文字環境省は、中小企業の温室効果ガス排出量算定や情報開示を支援する方針を決めた。中小企業は大企業の供給網(サプライチェーン)の一部を担っているケースも多く、供給網全体の排出量を把握しやすくする狙いがある。 脱炭素社会の実現に向けた政府の「クリーンエネルギー戦略」について議論する、中央環境審議会の有識者
-
手遅れになる前に… カキ養殖に忍び寄る気候変動の影響
2022/4/19 04:30 1692文字日本のカキ養殖の現場で気候変動の影響が表れ始めている。二酸化炭素(CO2)濃度上昇に伴う「海洋酸性化」が進行し、一時的にカキの生育に適さないレベルに達していることが初めて確認されたと北海道大の研究者らのチームが発表した。今のところカキの生育への影響はみられないが、関係者は観測と対策の重要性を訴えて
-
秋田港で洋上風車の組み立て始まる 国内初の商業運転を計画
2022/4/18 18:42 414文字脱炭素社会の切り札として期待される洋上風力発電で、国内初の商業運転を予定する秋田港(秋田市)。そこで風車のタワー部分の組み立てが始まっている。陸上と比べて風車を大型化できるため、より大きな発電量が見込める。秋田県などが早期稼働を後押しし、大手商社・丸紅(東京)が設立した特別目的会社「秋田洋上風力発
-
-
「ヤバいことに気づいて」渋谷に気候時計 Z世代が資金募り設置
2022/4/15 20:34 1529文字気候変動の対策として、18世紀の産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えることが国際目標になっている。今のペースで二酸化炭素を排出し続けると、あと7年余りで、その目標を達成するために許されている排出量に達してしまう――。気温上昇を1・5度に抑えるために残された時間を刻む「気候時計」が15日、東京・
-
音よし環境によし、ギターピック開発 きっかけは社員バンド 福井
2022/4/9 12:33 726文字音楽ファンに地球環境へ関心を持ってもらおうと、福井市のプラスチック加工会社「西端ブロー工業」が、微生物の力で水と二酸化炭素に完全に分解されるギターピック「ZERO」を開発した。自然環境ではなかなか分解しないプラスチックを使っていないにもかかわらず、高い耐久性を実現。開発には社内のロックバンドメンバ
-
一刻の猶予もない 温暖化歯止めに出来ること 「家作り」もカギ
2022/4/5 21:26深掘り 3151文字国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第3作業部会が4日公表した第6次報告書は、気候変動の被害拡大を抑えるには、温室効果ガス排出削減強化に一刻の猶予もないことを改めて示した。世界ではまだ排出量増加が続く中、地球温暖化に歯止めをかける道筋は描けるのか。【鈴木理之、岡田英、信田真由美】 ◇
-
25年までに温室効果ガスを頭打ちに IPCC第3作業部会報告書
2022/4/5 00:04 731文字国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)第3作業部会は4日、産業革命前からの気温上昇幅を「1・5度」に抑えるには、遅くとも2025年までに世界の温室効果ガス排出量を頭打ちにする必要があるとする第6次報告書を公表した。 気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」では産業革命前からの気温上昇幅を「
-
エコや社会貢献ではなく「営業許可証」 脱炭素経営で遅れる日本
2022/4/4 14:00 3763文字温室効果ガスの排出削減に取り組む――。それはかつて企業にとって「エコ」や「社会貢献」の話だった。今も日本では普通の認識かもしれない。しかし、国際社会ではもはや、それなしではビジネスに参入すらできない「営業許可証」になった、と専門家は説く。 地球環境戦略研究機関(IGES)ビジネスタスクフォースディ
-
-
効果は事業者次第? プラ削減、大手は義務に 4月1日施行の新法
2022/3/31 14:00 702文字使い捨てプラスチック製品の削減を目指す「プラスチック資源循環促進法」が4月1日に施行される。使い捨てプラを大量に使う事業者に使用量の削減を義務づける。飲食店や宿泊施設などでプラごみを減らす取り組みが広がりそうだ。ただし具体的な削減策は事業者や消費者に委ねる部分が多く、どれほど削減効果が見込めるかは
-
侵攻が変えるエネルギー政策と気候変動対策 日本が進むべき道は
2022/3/27 07:00 3499文字ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシア産の化石燃料に依存してきた国や地域のエネルギー政策に劇的な転換を迫っている。世界が推し進めてきた脱炭素政策に何をもたらすのか。日本はどう動くべきなのか。【八田浩輔】 ◇EU「ロシアへの依存、段階的に解消」 「私たちは化石燃料のロシア依存から脱却する。そのためには
-
ウクライナ侵攻で激変 エネルギー専門家に聞く「今後の読み方」
2022/3/21 10:00 2825文字世界のエネルギー市場が揺れている。近年「脱炭素」がキーワードになってきたエネルギー情勢だが、ロシアによるウクライナ侵攻で、地政学や安全保障が再びクローズアップされるようになった。原油価格の高騰は今後も続くのか。焦点の一つは中東産油国が増産に動くかどうかだ。日本エネルギー経済研究所の小山堅専務理事に
-
ウクライナ戦争で見えた気候変動対策と安全保障の不可分な関係
2022/3/18 18:00 2586文字ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシア産の化石燃料に依存してきた国や地域のエネルギー政策に劇的な転換を迫っている。そして、その影響は、各国が取り組む脱炭素対策にも及ぶ。ウクライナ危機があぶり出す気候変動対策と安全保障の不可分な関係とは何か。関山健・京都大准教授(気候安全保障)に聞いた。【聞き手・八田
-
論点
原発はグリーンな電源?
2022/3/18 02:01注目の連載 4417文字欧州連合(EU)の行政執行機関にあたる欧州委員会が2月、原子力発電を天然ガスと共に「環境に配慮した投資先」のリストに加える提案をした。二酸化炭素(CO2)排出が少なく、気候変動対策に貢献するという理由だ。ロシアのウクライナ侵攻で原発のあり方も改めて問われる中、「グリーンな電源」として復権するのか。
-