政治家などの寄稿
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「食料環境省」にしてみては 国土を守るのは農業
2022/7/6 06:30政治プレミア 1083文字私は農相を務めていた時に、農林水産省と環境省を合併して「食料環境省」にすべきだと主張したことがある。環境省が反対だったので、「環境」を先にして「環境食料省」にしようなどと真剣に検討した。当時の小泉純一郎首相に「2文字で略せるようにしなければダメだ」と言われ、「食環省はどうか」などと考えた。 農業を
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パフォーマンスに陥りがちな政治家 「何ができるか」見極めを
2022/7/5 06:30政治プレミア 1293文字日本は今、新型コロナウイルスとロシアによるウクライナ侵攻、物価高騰、北朝鮮の核・ミサイルなど未曽有の問題に直面している。国難ともいうべき難局に差しかかっている。 私が参院議員に初当選したのは1995年だ。その時は野党議員だったが、阪神大震災や地下鉄サリン事件などがあり、日本の安全神話が崩れた年でも
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常識に欠ける防衛費倍増と反撃能力の議論
2022/7/4 04:00政治プレミア 1331文字防衛費を国内総生産(GDP)比2%にまで引き上げる議論がある。しかし、「防衛費を2倍にすれば、抑止力も2倍になる」というような、そんな簡単なものではない。 ◇米国は喜ぶが 米国は日本に、北大西洋条約機構(NATO)並みに防衛費を引き上げるよう求めている。その要求に応じる国際政治の局面はある。米国を
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ロシアの情報戦 NATOとの「全面戦争」めぐる駆け引き
2022/6/29 06:30政治プレミア 4999文字ロシア革命・社会主義革命(1917年11月)の指導者だったウラジーミル・レーニン(1870~1924年)は、初期の著作「何をなすべきか」(1902年)で興味深い情報戦略について述べている。宣伝(プロパガンダ)と扇動(アジテーション)を方法、内容において区別するというのがその要諦だ。 宣伝は、政策意
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こども家庭庁で問題は解決できるのか
2022/6/29 04:00政治プレミア 3718文字去る6月15日、こども家庭庁設置法及びその関連法が国会で成立した。来年4月に発足する。 新しい組織は、昨年設置されたデジタル庁に続くものであり、さらに政府は、内閣感染症危機管理庁の設置も検討している。「庁」の設置は流行になっているが、なぜ必要なのか。総合調整の司令塔としての役割が期待されているが、
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同質的な中高年男性のリスクを防ぐ 男女間賃金格差の開示義務
2022/6/28 11:00政治プレミア 2419文字岸田政権は「新しい資本主義」の大きな柱の一つとして、「女性版骨太の方針2022」を定めた。 目新しい内容としては、301人以上の企業に対して、男性賃金に対する女性賃金の比率をホームページなどで明示することの義務付けがある。 これまでの女性活躍推進法では、女性の役員・管理職の比率や男女の平均継続勤務
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弱まるチェック機能 緊張感が失われれば権力は腐敗する
2022/6/28 04:00政治プレミア 1898文字◇政界に欠ける「心合わせ」 今年の通常国会では、政府提出の61法案がすべて成立した。全法案成立は26年ぶりのことだ。 参院選を前に、政府・与党が野党と対立するような法案提出を先送りしたことと、政府の姿勢への追及が足りなかった野党の双方に責任がある。これが今の政治の最大の欠点だ。もう少し骨太の議論を
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戦争をやめられない 裸の王さま「プーチンの政治」
2022/6/27 04:00政治プレミア 1293文字今、ロシア国内がどういう状態なのか、本当のところはプーチン大統領は分かっていないのではないか。裸の王様になっている。独裁者の周囲はみな都合の悪いことは言わない。嫌なことを言って処分されたらたまらないと思うからだ。 旧ソ連が崩壊した根源にはアフガニスタン侵攻がある。1979~89年の約10年間での旧
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日常生活に降り注ぐ「男だから」「女だから」
2022/6/24 06:30政治プレミア 2140文字日本のジェンダー不平等の大きさが非常に問題視されるようになってきている。企業に男女間賃金格差の情報の公開を求める政策も動いている。 ただ、気になるのは、単に男女間賃金格差だけを公開しても、「それは女性が無能だから」「それは女性が責任ある仕事をしたがらないから」などの解釈で片付けられてしまえば、まっ
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米国が日本から「手を引く」ことがあるのか 同盟を知らない日本人
2022/6/23 06:30政治プレミア 2189文字ロシアのウクライナ侵攻を受けて、岸田文雄首相は防衛力の抜本的強化を打ち出し、防衛費も大幅に増額される方向にある。内閣支持率も上昇し、防衛論議も活発化しているかに見える。 ◇米国への不信感 しかし、その一方で気になってならないことがある。日米同盟の信頼性について、「ウクライナに軍事力を投入しないよう
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日本を破綻させるバラマキと大衆迎合政治
2022/6/22 06:30政治プレミア 1674文字◇投票で変えられる「組織のための政治」 参院選では投票率が上がることを期待している。国民の多くは「別に自分が投票に行かなくても」と思っているのかもしれない。だが日本は安全保障も経済も決して安泰ではない。 軍事的脅威は日に日に強まり、経済が破綻する可能性も決して低くはない。国民に将来への危機意識を持
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批判しない野党は野党ではない 告発があって初めて提案が生きる
2022/6/21 11:50政治プレミア 1235文字参院は「熟慮の府」「再考の府」と言われる。しかし、それにふさわしい議会になっているだろうか。かつて、自民党出身の故河野謙三参院議長は「七・三の構え」を提唱した。議長は与野党の真ん中にいるのではなく、少数野党に7、多数与党に3の機会を与える必要があるという考え方だ。そういう保守の矜持(きょうじ)や大
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食料の国内生産 守るために必要な国民の理解と財源
2022/6/21 06:30政治プレミア 1158文字日本の食料自給率は37%(カロリーベース)だ。輸出国である日本は貿易全体で食料を考え、不足するものを外国から買ってきた。現在の状況があるのは、国民が安い農産物を求めたからだ。高くても自国の農産物を食べる感覚があれば今のようにはなっていない。 農業をおろそかにしてきたわけでは決してない。しかし国産の
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断罪された「物価偽装」 「生活保護基準引き下げは違法」の衝撃
2022/6/20 06:30政治プレミア 3010文字岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の「グランドデザイン及び実行計画」と2022年度の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」が6月7日、閣議決定された。 ◇菅前首相と変わらない どちらの文書も、2代前の安倍政権時代からのキャッチフレーズである「成長と分配の好循環」という言葉が頻繁に登場し、人
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女性議員を増やすためにあなたがすぐにできること
2022/6/19 06:30政治プレミア 2674文字毎年発表される世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で、日本は前回の156カ国中120位(世界経済フォーラム、2021年3月31日公表)という不名誉な順位からさらにランクダウンすることが予測されている。 日本は「政治」「経済」「教育」「健康」のうち政治分野が特に順位が低い。21年は「政治」は1
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まだ少ない女性候補者 クオータ制導入は世界の潮流
2022/6/18 06:30政治プレミア 2183文字参院選の公示が6月22日、投開票日が7月10日と迫ってきています。 「候補者男女均等法」とも呼ばれる、政治分野における男女共同参画推進法の施行(2018年5月)後に行われた昨年の衆院選では、女性議員が増えることが期待されましたが、女性候補者が2割に満たなかったこともあり、女性議員の割合は9.9%か
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「なんでも反対」の批判を恐れるな 強い野党が必要だ
2022/6/17 06:30政治プレミア 1274文字本当の民主主義は政権交代可能な政治だ。政権与党のほかに、もう一つ政権を担える政党が存在しなければならない。野党が細分化されて遠心力が働いている現在の状況はそれ自体が危機だ。 ロシアのウクライナ侵攻も、ロシアのなかで政権が間違った政策を実行しようとした時にそれを止める強い野党が存在しなかったからだ。
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円安が止まらない理由
2022/6/17 06:30政治プレミア 2935文字◇国民生活に深刻な影響 円安が止まらない。6月13日に対ドル為替が、1ドル=135円台に突入した。年初は115円だったから、半年足らずで20円も円安が進んだことになる。 円安は、国民生活に深刻な影響を及ぼしている。石油や穀物などの資源高に加えて円安がダブルパンチとなって、物価が上昇しているからだ。
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食料価格高騰 ならば食品ロスをなくすことから
2022/6/16 06:30政治プレミア 1134文字ロシアのウクライナ侵攻の影響で穀物価格や肥料の価格が高騰している。日本では人口が減っていても世界では人口は増え続けている。ウクライナのような事件が起きた時には日本に食料が入ってこなくなる状況になることは十分にあり得る。 ◇毎日「茶わん1杯」捨てている そのなかで日本では年間522万トンの食品ロスが
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バラバラな野党もまとまる時は一気にまとまる そのために必要な地力
2022/6/16 06:30政治プレミア 1582文字いま、野党はバラバラで国民から期待されていないとよく言われる。しかし、時勢は動くときは急に動く。政界ではよく「ガラガラポン」と言う。 ◇1年前までバラバラだったが 私が国会議員になった1998年は民主党が結党された年だ。新進党が解党(97年)した後、野党は現在どころではなく、本当にバラバラだった。
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