
国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖
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出入国在留管理庁の施設に長期収容される外国人が急増している。2019年6月には、3年半収容されたナイジェリア人男性がハンガーストライキを行い、餓死してクローズアップされた。

在留資格がないなどとして退去強制令書を出された人は入管庁の施設に収容される。期限の定めはない。19年6月末の収容者1253人のうち、6カ月以上の収容は54%の679人に上った。2年前、6カ月以上の収容者の割合は30%だった。抗議のハンストは各地で起きている。
世界的にも厳格な認定
日本の難民認定は世界的に見ても厳しい。2019年は1万375人が申請して認定は44人。認定率は0・4%で、ドイツ(26%)やフランス(19%)などと比べて極端に低い。申請を繰り返して初めて認定されるケースがあるのも事実だ。NPO法人「難民支援協会」によると、10~18年に難民認定を受けた212人のうち、複数回申請した人は19人。3回目の申請中に訴訟で勝訴して認定を受けた例もあった。
日本の厳しさの背景にあるのが、厳格な難民の解釈だ。難民条約は、人種や宗教、国籍、政治的意見などを理由に母国で迫害を受ける恐れがある人を難民と定義している。だが、日本は、反政府デモを主導した指導者など、外国政府などから名指しで狙われている人を難民と認定している。立証のハードルも高い。
日本の難民認定
年 | 申請者数 | 認定者数(うち不服申し立て後の認定) |
---|---|---|
2019 | 10375 | 44( 1) |
2018 | 10493 | 42( 4) |
2017 | 19629 | 20( 1) |
2016 | 10901 | 28( 2) |
2015 | 7586 | 27( 8) |
2014 | 5000 | 11( 5) |
2013 | 3260 | 6( 3) |
2012 | 2545 | 18(13) |
2011 | 1867 | 21(14) |
2010 | 1202 | 39(13) |
※出入国在留管理庁資料より
入管法改正案 政府・与党取り下げ
政府・与党は5月18日、外国人の在留管理を厳格化する入管法改正案を事実上取り下げる方針を固めた。立憲民主党などの野党が入管施設収容中だったスリランカ人女性が死亡した問題の真相究明を求め、審議強行を批判していることを考慮した。改正案は、4月16日に衆院本会議で審議入りしていた。
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