歌壇・俳壇
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若山牧水短歌大会の作品募集 日向市 /宮崎
2022/5/21 05:59 355文字日向市東郷町出身の歌人、若山牧水(1885~1928年)を顕彰する「第12回青の国若山牧水短歌大会」の作品募集が始まった。8月12日まで受け付けている。 日向市などの主催で、市制施行60周年を記念して2011年に始まった。大会名は、牧水が大学時代、帰省した際に古里の自然の美しさを詠んだ歌に由来して
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毎日京都短歌教室 秀作は初田さんら /京都
2022/5/21 05:25 409文字毎日京都短歌教室が5月14日(土)に開催され、次の2首が秀作に選ばれた(京都市下京区の京都タワーホテルで開催、参加10人、指導は遠山利子氏)。 ◇聳え立つビルの裏手の京町屋あかきバケツが今も置かれて山科 初田由貴子「ともしび」のかなしき歌詞に思いよす祖国を追われ生きんと民は西京 田渕
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俳誌「ひろそ火」祝賀会 10、11周年記念で 高崎 /群馬
2022/5/18 05:20 340文字毎日新聞群馬面「文園俳句」の選者、木暮陶句郎さんが主宰する月刊俳誌「ひろそ火」の創刊10周年・11周年記念祝賀会が17日、高崎市内のホテルで開かれ、会員らが俳句への思いを語り合った。 「ひろそ火」俳句会は、県内外に135人の会員を抱え、月刊誌への投句などで精力的な活動を続けている。10周年の記念祝
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2022/5/16 02:00 313文字肩口に花の雨なりコップ酒 鈴鹿市 岩口已年<評>あいにく雨の降り出した花見。傘のしずくが肩口をぬらす。それもまたよしとコップ酒で楽しむのが俳人らしい酔狂だ。腰掛けて安野光雅麦の秋 香芝市 山本合一<評>安野光雅のライフワーク「旅の絵本」を思い出す。風景に腰掛ければ作者もまた旅人。マウンドの敗戦投手風
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毎日俳壇
西村和子・選
2022/5/16 02:00 323文字ジャグラーのバトンの散らす桜かな 東京 野上卓<評>奇術師の動きを描いて場所を想像させる。桜の散る公園には人々の輪もできていることだろう。現代的な情景。白秋の校歌に勇み入学す 東京 望月清彦<評>北原白秋作詞の校歌とは、伝統校にちがいない。「勇み」の一語が意気を表している。藤棚に風の生まるる午後三時
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毎日俳壇
井上康明・選
2022/5/16 02:00 348文字家々はゆふがたの音すひかづら 川越市 峰尾雅彦<評>スイカズラは夏の花、白い筒状の花には香りがある。スイカズラが甘い香りを放つ夕暮れは、家々に夕げの仕度が始まる頃。春愁の襞(ひだ)ゆたかなり観音像 札幌市 村上紀夫<評>観音は立像だろう。幾重もの衣のひだに愁いを宿しながら、かすみの中にたたずんでいる
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毎日俳壇
片山由美子・選
2022/5/16 02:00 356文字手を拭いて母が加はるしやぼん玉 加古川市 中村立身<評>洗い物か掃除か、それまで家事をしていた母親も加わってというのだが、「手を拭いて」に生活感があり、秀抜。牡丹(ぼうたん)の崩るるさまのあらはなり 横浜市 延沢好子<評>「花の王」とたたえられる豪華な花が開ききって散るさまは無残。それを中七・下五で
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毎日歌壇
篠弘・選
2022/5/16 02:00 460文字この夏に戦争を知る友逝きて酒席の話題また一つ減る 横浜市 芝公男<評>人と人とが激突した日中戦争における話題の持ち主か。戦後帰宅した復員兵は、実体験を人に語りたくなかったようだ。まとまらぬ議事に議長は口数の少なき人の意見もとむる さいたま市 平井智明<評>司会者は自説にこだわり続ける人の発言を打ち切
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毎日歌壇
伊藤一彦・選
2022/5/16 02:00 483文字爆撃も気高さまでは奪へない焦土の傍(かた)へに野の花は咲く 由利本荘市 佐々木靜江<評>焦土に咲く花の「気高さ」はそのまま自国の土地と文化を愛するウクライナの人々の姿。作者は祈りをこめてそう歌う。助けてはくれぬカメラの前に立ち幼子の言う「生きて帰りたい」 習志野市 太宰明子<評>戦禍の地の映像。「助
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毎日歌壇
米川千嘉子・選
2022/5/16 02:00 481文字ローンにて建てたる家を子は継がず住宅街に空き家増えゆく 秦野市 星光輝<評>2世代で住む家は少なくなり、それぞれの夫婦の頑張りそのもののような家々だけが残るのだ。初句が効いて切ない。肉じゃがの匂いの満ちる帰路にいてほんの一秒マスクを浮かす 府中市 吉村おもち<評>肉じゃがの匂いを「ほんの一秒」という
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うたは奏でる
「新しい世代」=染野太朗
2022/5/16 02:00 612文字「文学界」5月号が「幻想の短歌」という特集を組んだ。「幻想」という語を入口として、論作両面から広く現代短歌を俯瞰(ふかん)し捉え直そうとする、重厚な企画だ。短歌の専門誌以外では異例と言えるほどの、大型の短歌特集である。 隅々まで見過ごせないが、例えば堂園昌彦による「八十岐(やとまた)の園 幻想短歌
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毎日歌壇
加藤治郎・選
2022/5/16 02:00 477文字終わるまで見ていてあげる 夕暮れのひかりがきみをすりぬけて来る 札幌市 永汐れい<評>平井弘の詩法である。若い世代に継承されているとすればうれしいことだ。きみが現実世界を去ってゆくシーンだろう。テーブルを流れるアイスコーヒーのように注目されて生きたい 東京 岩松ぽむ<評>率直な欲望がまぶしい。テーブ
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点字毎日 点毎歌壇 真中朋久・選
2022/5/15 10:24 1131文字みえし ひの きおく たぐりつ もうどうけんと はいこう せまる こうしゃを めぐる 新潟市 上林(かんばやし)洋子 【評】新潟盲学校がろう学校と統合されるという。懐かしい校舎は、盲導犬には初めての場所。古い校舎の空気は、犬にはどんなふうに感じられるだろうか。きょうも また トップ ニュースは ウク
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第22回若山牧水青春短歌大賞 入賞・佳作の221首収録 延岡市と市教委 作品集出版 /宮崎
2022/5/12 05:49 317文字歌人・若山牧水が青少年期に延岡市で過ごしたことにちなみ全国から作品を募集した「第22回若山牧水青春短歌大賞」で、入賞・佳作に選ばれた計221首を収録した作品集を同市と市教委が出版した。450部発行し、1冊税込み1000円で販売している。 同賞は2000年に始まり、今回は21年5~9月に募集。小学生
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東海文芸 21年度 年間大賞決まる
2022/5/10 05:06 1196文字短歌・俳句・川柳のコーナー「東海文芸」の2021年度年間大賞が決まった。今年3月までの投稿作品から、短歌は愛知県豊田市の矢野みょうこさんと愛知県刈谷市の内藤昌子さん▽俳句は三重県伊勢市の久世伸子さんと岐阜県大垣市の米山方士さん▽川柳は愛知県あま市の小林祥司さんと愛知県常滑市の皆川邦子さん――の各作
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2022/5/10 02:01 342文字受験生時計の針に追はれけり 横浜市 山田知明<評>時間に追われると言ったのでは常識的。時計の針を見せることで、それに追いつめられる悪夢のような切迫感が出た。石鹼(しゃぼん)玉幸せさうに消えにけり 白井市 毘舍利道弘<評>「幸せさうに」が意表を突く。幸せとは案外そんなものなのかもしれない。しゃぼん玉袋
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毎日俳壇
片山由美子・選
2022/5/10 02:01 337文字矢車草茎の折れたる二三本 川崎市 久保田秀司<評>一般に俳句に詠まれるのは別名ヤグルマギク。細く繊細な茎が特長で、「折れたる」にこの花の美しさがとらえられている。遠足のかたまり動く水族館 国立市 新保徳泰<評>遠足で水族館にやってきた子供たち。移動する一団を活写し、にぎやかさまで想像させる。歌ふごと
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毎日俳壇
西村和子・選
2022/5/10 02:01 363文字膝にのる猫も蛙(かわず)の目借り時 白井市 毘舍利道弘<評>俳諧味のある季語を略さず生かし、猫もカエルも人間も自然界の一部であることを思わせる。心地よい陽気に読み手も眠くなる。満開の桜坂道苦にならず みやま市 紙田幻草<評>いつもはつらい坂道も、桜を仰ぎつつ行くと歩調も緩やかとなり、季節の恩恵を実感
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毎日俳壇
井上康明・選
2022/5/10 02:01 360文字山々の雲をしりぞけ幟(のぼり)立つ 久喜市 利根川輝紀<評>端午の節句のこいのぼりが雲を吹き払うかのように、悠々と泳ぐ。元気いっぱいに育つようにと願いがこめられているだろう。柳生には柳生のいろの紫木蓮(しもくれん) 奈良市 上田秋霜<評>剣豪として知られる柳生一族の里は奈良市柳生地区。歳月をしのばせ
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毎日歌壇
加藤治郎・選
2022/5/10 02:01 492文字オムツ替えの動きも踊りになればいいたとえばどじょう掬(すく)いのように 広島市 堀眞希<評>厳しい介護の現場からの作品だ。ひょいひょいと踊りになる。イマジネーションとユーモアによって現実の苦を越える。戦争がこわいこわいと揺らいでるインターネットは淡い麦畑(むぎはた) 東京 有村奈都<評>戦場には血と
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