
地元に根ざして活躍するファミリービジネスの経営者、後継者、起業家たちの成長ストーリーを紹介していきます。
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/6 意中の会社にアタック、売却決定
2023/9/17 02:07 1428文字実家の豆腐店「山下ミツ商店」(石川県白山市)を継ぎ、30年以上にわたって経営してきた山下浩希さん(62)だったが、「後継者不在」という現実にはあらがえず、会社を引き継いでくれる相手企業を探すと決意した。2020年夏、還暦が1年後に迫っていた。 長年付き合いのある経営者仲間が一人、二人とM&A(合併
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/5 後継不在 座して死待つわけには…
2023/9/10 02:03 1369文字実家の豆腐店「山下ミツ商店」(石川県白山市)を継ぎ、国産大豆の急騰という試練に見舞われながらも、山下浩希さん(62)は移動販売に活路を見いだした。しかし、55歳を過ぎて「後継者不在」という厳しい現実が目の前に迫っていた。 2016年、長年の友人である同世代の蜂蜜メーカーの社長から「実は会社を売るこ
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/4 移動販売に「商売の原点」見た
2023/9/3 02:02 1334文字実家の豆腐店「山下ミツ商店」(石川県白山市)を継ぎ、国産大豆と天然にがりを使った豆腐で事業を急拡大させた山下浩希さん(62)だったが、国産大豆の急騰と売上高の急減という試練に直面した。 業績が下向く2009年、思い立ったのが、トラックで豆腐を売り歩く移動販売だった。その数年前、豆腐業界の展示会で、
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/3 急成長のひずみ 原料高騰追い打ち
2023/8/20 02:03 1353文字実家の「山下ミツ商店」(石川県白山市)を継いだ山下浩希さん(62)は、1990年ごろにはまだ珍しかった国産大豆と天然にがりで豆腐を作る技法を身に付けた。それまでは家族で引き継いできた地元名産の「堅(かた)とうふ」しか作れなかったが、この「業界最先端」の豆腐なら、白山のふもとに本店を構えていても、金
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/2 「天然にがり」の技法、我がものに
2023/8/13 02:14 1373文字「どこででも通用する豆腐屋になる」。大学卒業後、地場スーパーで働いていた山下浩希さん(61)が、実家の「山下ミツ商店」(石川県白山市)に入ったのは、1985年10月だった。80歳を超えていた祖母ミツさんが「もう年だから店をやめる」と言い出し、「だったら俺が継ぐよ」と引き受けた。24歳の時だ。 豆腐
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豆腐店「山下ミツ商店」山下浩希さん/1 「商いの神髄」映画で学ぶ
2023/8/6 02:06 1662文字日本三霊山の一つ、白山のふもとにある豆腐店「山下ミツ商店」(石川県白山市)は、もともと豆腐の製造販売だけでなく、酒や菓子、日用品まで生鮮食品以外は何でも売る「家族経営の何でも屋」だった。山下浩希さん(61)は、祖母のミツさん、母の孝尾さんが店を切り盛りする山下家の長男だったが、幼い頃は継ぐとも継が
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/7止 豊かさと幸せ感じる仕事こそ
2023/7/23 02:07 1479文字オンリーワンの会社をつくりたくて、西村和弘さん(49)が起業した「エニシング」(東京都)は20年あまりの挑戦と試行錯誤を経て、日本伝統の前掛けを復活させ、その素晴らしさを届ける会社になった。次のステージは、国内外のパートナーとともに、シャトル織機を使って、世界のどこにもなかった生地を生み出していく
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/6 「物語」の力が周囲を動かし出す
2023/7/16 02:03 1320文字英国で始まった産業革命の発端は、蒸気機関で動く織機の発明だった。日本でもトヨタ自動車やスズキの源流は織機製造にある。100年近く前に作られ、スピードは遅いながらも温かみのある生地を生み出すシャトル織機で、日本伝統の前掛けを織り、その素晴らしさを国内外に広げていく。オンリーワンの会社をつくりたくて「
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/5 着工後、追加で数千万円必要と判明
2023/7/9 02:03 1291文字オンリーワンの会社をつくりたくて「エニシング」(東京都)を起業した西村和弘さん(49)は、日本伝統の前掛けを生地から生産する決意を固め、自社工場の建設に乗り出した。自らは設備を持たない身軽な企画販売業から、機械と工場と職人を抱える製造業への進出。繊維業界では近年まれに見る挑戦になった。 工場建設地
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/4 職人を自前で育成、営業強化
2023/7/2 02:06 1346文字オンリーワンの会社をつくるため、脱サラして「エニシング」(東京都)を起業して8年が過ぎた。前掛け専門店へのシフトを決めたものの、前掛け生地を織れる愛知県豊橋市の職人たちは「今さら前掛けなんか、はやらない」となかなか生産に応じてくれなかった。その壁を破るため、西村和弘さん(49)はニューヨークで、職
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/3 ニューヨークで開けた突破口
2023/6/18 03:57 1378文字脱サラしてオンリーワンの会社をつくろうと「エニシング」(東京都)を起業した西村和弘さん(49)は、日本伝統の前掛けに可能性を見いだし、それまで主力だったTシャツの企画販売をやめ、前掛け専門店へと「全振り」することを決意した。 2007年、エニシングの前掛けは民放の情報番組で取り上げられたことをきっ
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/2 「オンリーワン」へかじを切る
2023/6/11 02:14 1431文字脱サラして、特注Tシャツの企画販売会社としてエニシング(東京都)を創業した。2年を過ぎても事業は軌道に乗らず、開業資金として用意していた500万円も底を突きつつあった。「1日100円生活」を自分に課し、水道水で空腹を満たす日々。さらに2年間をかけて徐々に販路を広げたものの、西村和弘さん(49)は「
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前掛け専門店「エニシング」西村和弘さん/1 トップ営業マンの決意
2023/6/4 02:04 1686文字人気映画シリーズ「007」に、日本伝統の前掛けが衣装として使われていることに気づいただろうか。この前掛けを作ったのは、大手菓子メーカーの営業マンだった西村和弘さんが、オンリーワンの会社を作りたくて、脱サラして起業した前掛け専門店「エニシング」(東京都)。Tシャツの企画販売からスタートした西村さんが