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エンジ旋風・常総学院センバツ出場

第1部・夢舞台への道のり/2 奪三振よりチーム優先 /茨城

雄たけびを上げる鈴木昭汰投手=さいたま市で

 <第88回選抜高校野球>

    主戦・鈴木が進化、樫村に刺激

     左腕から繰り出す140キロを超す直球に、切れの鋭い変化球。巧みな投球術でチームを引っ張る主戦、鈴木昭汰投手(2年)は、新チームになってから投球内容を変えた。

     昨春のセンバツでは全3試合に先発し、防御率1・21。14年ぶりの8強入りに大きく貢献した。「常総に鈴木あり」と全国の高校球児にその名をとどろかせたが、今は当時の投球について「三振を取ることばかり考え自分勝手だった」と反省している。「先輩たちについていけばよい」という甘えもあった。

     新チームになり、練習試合を重ねるうちに意識が変わった。例えば1死一塁の場面。「三振を取って2死一塁にするより、内野に転がして併殺に仕留めた方が、チームに流れを引き寄せられる」。「打たせて取る」投球が増えた。頼る先輩がいなくなり、最高学年のエースとして、チームの引っ張り方を考えた結果だった。

     昨秋の関東大会で、その姿勢が最も強く表れたのが、準々決勝の日本航空(山梨)戦だった。1回戦の横浜(神奈川)戦で154球を「全力投球」したため、疲労が残っていた。三振ばかりを狙う力は残っていないと自己分析。試合前から木村健太郎捕手(2年)と「きょうは打たせて取ろう」と決めていた。

     変化球の速度を落として緩急をつけ、低めに球を集めて、凡打の山を築いた。同点で迎えた七回裏2死一、二塁の場面でも、外角低めの釣り球で左飛に打ち取り、ピンチを切り抜けた。臨機応変な投球が、チームを強くしている。

       ■  ■

     その日、鈴木投手の力投を樫村雄大投手(2年)はブルペンから見守った。「もし昭汰が打たれても、自分が抑えてみせる」。そんな気持ちだった。

     鈴木投手とともに昨春のセンバツを経験したが、右肩のけがで納得のいく投球はできなかった。活躍する鈴木投手の陰で、悔しさと焦りを募らせた。

     新チームでは、けがでの遅れを取り戻すため、納得いくまで投げ込んだ。県大会までに重ねた練習試合のうち、チームトップタイの19試合に登板。3完封を成し遂げ、右の大黒柱としてナインの信頼を得る存在に成長した。

     関東大会の準決勝、桐生第一(群馬)戦で先発を任された。前半は制球に注意しながら体力を温存し、後半は直球を主体に投げ込んだ。終わってみれば、被安打4で公式戦初の完封勝利だった。

     「昭汰から大きな刺激を受けている。切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と話す。鈴木投手の活躍が、もう一人のエースに火をつける。【加藤栄】=つづく


     ▽準々決勝

    常総学院

      000010010=2

      001000000=1

    日本航空(山梨)

     (常)鈴木−木村

     (日)片岡−片野

    ▽二塁打 陶山、宮谷(常)

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