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第88回選抜高校野球

青森山田&八学光星監督対談/中 方向性示し選手の自立うながす /青森

八戸学院光星の仲井宗基監督
青森山田の兜森崇朗監督

 <第88回センバツ>

     第88回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)に出場する青森山田・兜森崇朗、八戸学院光星・仲井宗基両監督の対談は冬場の練習の取り組みや指導論へと進む。(司会=村田隆和・毎日新聞青森支局長)

    八学光星・仲井監督、全国見据え打力重視/青森山田・兜森監督、自主練で成長見守り

     −−今冬の強化ポイントとして仲井監督は「強打の光星復活を合言葉に打撃力を鍛えた」と話しています。

     仲井 スイングをもう一度見直そうと。素振りです。今までの練習に、スイングの量、質を高めていくべく取り組みました。2011年夏から3季連続準優勝の後、1年おいて14年春からまた3季連続で甲子園に出ました。いずれも初戦は突破し、夏は8強まで進んだのですが、打てていないんです。にもかかわらず、甲子園に行ったがために「それでよし」としてしまう自分がいたのだと思います。それが昨年夏の青森大会決勝での敗戦につながったのかもしれません。はっきり打力の必要性を思い知らされたのは秋季東北大会決勝で山田に完封負けを喫した時です。全国で勝つためには絶対的な打力が必要だと感じて、それをもう一度取り戻そうと練習に励んでいます。

     −−兜森さんは「自主練習を増やして選手が考える場面を作るようにした」と話していますね。

     兜森 秋のシーズンを戦いながらオフの時期をイメージしていて、限られた時間の中で、詰め込むべきものを強引に選手たちに詰め込んだ感がありました。そういった一方通行の野球は嫌で、全国で戦っていくにはそれだけでは足りないと思いました。チームのことを考えられる部分を育てたいという気持ちからです。チームの方向性だけは示して、自主練習に取り組むようにさせているのですが、結果は分かりません。センバツ1回戦でこけてしまうかもしれないし。でも、自分自身は楽しみです。具体的には、全体練習の時間を極力短くしました。確認程度です。極端な言い方をすると、1球で、少ない本数で見極めて課題を与えて自主練習に取り組ませるという流れをやっています。練習する選手にとっては練習時間が増えています。

     −−指導者はそれぞれのスタイルや理念を持っています。選手の自主性に委ねるふうに変えるのは勇気がいると思います。

     兜森 夏までの過程を見れば、ひょっとしたら失敗するかもとは思うんですけれど……。高校生が、言ったことをそのままやるとはこちらも思っていません。それでも任せてみて、後々に大きく成長する材料にはなると思っています。全国で勝っていくにはとにかく個の力を高めていくのが課題ですから、野球もいろんな面で任せてやらなければと思っています。

     −−今の話を聞いて仲井監督はいかがですか。

     仲井 理想ですし、そうなっていけばいいと思います。ただし、強制する練習でもただやるだけなのか、高い意識を持ってやるのかで結果は変わると思います。私が求める自主性は、強制する中で考えてもらいたいということ。どういう意図を持ってバッティング、バント、ダッシュ、ウエートトレーニングなどに取り組むか。光星は冬の間、センバツ出場があってもなくても同じ練習を全員にやらせます。メンバーを絞ってやった方がレベルアップにつながるのかもしれませんが、それは嫌。バッティング1本、ティー1本、全員が同じく打ちます。そこでどういう考え方を持っているのか。自立した選手を育てたい。ほぼ毎日ミーティングで言ってはいるのですが、なかなか難しいですよね。

     兜森 難しいです。私も今の時期、同じことを全員でやるんです。それで量をこなさせようとすると24時間あっても足りない。その部分を自主練習にして増やして。そこでやる者とやらない者に分かれるのですが、やらない者をどうやってその気にさせるか四苦八苦しています。

     −−こういった指導法は「ボトムアップ理論」につながるのかなと思います。選手の自主性を養うことがチームの成果につながるという考えで、元々は高校サッカーの指導の現場で唱えられたものです。今では他競技にも広がりを見せていて、野球でどんな結果が出るのか興味深いです。しかし「教えない指導」は我慢を強いられます。

     仲井 私はどうしても教えすぎる、指示しすぎる、気付きすぎるところがあって、なかなか目をつぶれない。でもロボットだと面白くないですよね? ですから自由にやれる雰囲気だけは作りたい。ただ、方法が分からない子たちに自由にやれと言っても砂漠で指輪を探すようなもの。方向性は指示しながらやっています。

     兜森 センバツの後、夏の大会を目指す時にはメンバーを絞って特打ちをさせるような場面が必ず来る。選手になれず打撃投手をやる者も出てくるだろうから強制されたことに耐えていく部分も必要だと思います。「何で選ばれなかったのだろう」「やってきたことは無駄だったのか」という姿もコーチ時代に見てきました。涙を流しながらも歯を食いしばってチームに貢献できる選手を育てたいという思いでやっています。

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