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エンジ旋風・常総学院センバツ出場

第1部・夢舞台への道のり/5止 名実ともに主将に /茨城

中村迅主将(中央)。持ち前の明るさでチームを引っ張る=さいたま市で

 <第88回選抜高校野球>

    挫折乗り越え、再びけん引役

     前向きで明るい性格の中村迅主将(2年)がチームを引っ張っている。センバツ出場決定から一夜明けた1月30日、選手は校内で1周約400メートルのコースを計10回走り込んだ。5周走り終えると、皆苦しそうな表情を見せたが、中村主将が「次も1位取っちゃうよ」とおどけながら宣言すると、雰囲気はがらりと変わった。

     「迅に勝ってやる」「絶対に負けない」−−。選手は気合を入れ直し、スタートの合図で再び走り出した。山口竜大コーチは「つらく、厳しい内容でも、彼が競い合って練習する空気を作り、乗り越えている」と評価する。

       □   □

     昨年7月の主将を決める選手間投票。もともと同学年の「仕切り役」だった中村主将は、圧倒的な支持で選ばれた。

     ただ試合では手本になれず、関東大会を前に主将を降ろされた。県南地区代表決定戦では、その後の県大会も含めてチーム唯一となる失策を記録。決勝までの4試合でも10打数無安打とすこぶる不調だった。

     霞ケ浦に敗れ、県大会準優勝に終わった昨年10月4日、鈴木昭汰投手(2年)とともに、佐々木力監督に呼び出された。「主将を交代するか、2人でよく考えろ」。主将の重圧から開放させようという佐々木監督の親心だった。

     県大会でふがいない成績しか残せなかった中村主将に対し、鈴木投手は防御率ゼロ、打率5割超と、投打の柱。「実力を伴っていない主将ではチームを引っ張れない」と考え、渋る鈴木投手を説得し、主将を託した。

     自分のできることを一からやって、チームの勝利に貢献しようと決意した。守備では低い姿勢でボールを追いかける基本姿勢を徹底して打球を追いかけた。打撃では昨年「トリプルスリー」を獲得した山田哲人選手(ヤクルト)の練習法をまね、2メートル先からトスしてもらった球を打ち込むことで、間合いや力の入れ方をつかんだ。主将を外れても、誰よりも大きな声を出すことを心掛けた。

     関東大会では徐々に復調した。守備は無失策。打率は1割台と本調子ではなかったが、それでも準々決勝では決勝打を放った。

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     関東大会後、主将という定位置に戻った。センバツ出場が決まり「主将としてチームを盛り上げ、一戦必勝で日本一を目指す」という新たな目標もできた。今度は声だけでなく、プレーでも貢献するつもりだ。

    【加藤栄】=第1部おわり

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