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明日を呼ぶ・滋賀学園

第88回センバツ 第1部 新チームの軌跡/中 上級生からの信頼、力に /滋賀

秋の県大会準決勝・北大津戦で失点し、硬い表情でベンチに戻る神村投手=大津市御陵町の皇子山球場で2015年9月27日、森野俊撮影

 <第88回選抜高校野球>

    楽しみながら切磋琢磨

     思ってもみない通告だった。昨秋の県大会3位決定戦前のミーティング。近畿大会への最後の枠をかけた大事な長浜戦で、山口達也監督(44)は神村月光(ひかり)投手(1年)に先発を託した。

     準決勝・北大津戦でリリーフに失敗したばかりの神村投手。「なぜ僕が」。そんな不安な背中を押してくれたのが2年生だった。「絶対近畿(大会)に行くぞ。頼むぞエース」

     「任せてください」とは言わなかった。口を開けば涙がこぼれそうだった。

         ◇

     新チーム発足以降、1、2年生の間には、次第にまとまりが生まれていった。内野の守備練習では正二塁手の井川翔選手(2年)が「ボールを最後まで見よう」と1年生を積極的に指導。打撃練習では4番を打つ馬越大地選手(2年)が「左肩が下がっている」などとアドバイスするようになった。1年生が2年生に「投球フォームを見てもらえますか」などと頼むことも増え、小浜崚史選手(1年)は「楽しみながら野球ができるようになった」と話す。

     迎えた昨秋の県大会。チームは初戦から3試合連続コールド勝ちして勢いに乗る。準々決勝では昨春のセンバツに出場した近江にサヨナラ勝ち。準決勝・北大津戦でも、中盤までに4点をリードされながら追い上げ、八回表には2点勝ち越しに成功した。

     ただ、直後にピンチを迎える。八回裏、1点差に詰め寄られ、なお2死一、三塁。前日登板したばかりの神村投手がマウンドに上がったが相手打線の勢いは止められなかった。制球の乱れもあって逆転を許し、試合後は「僕のせいで負けた」とチームメートの顔を見ることができなかった。

         ◇

     6日後の3位決定戦。12安打6得点と強力な打線の援護を受けた神村投手は、長浜打線を3失点に抑え、完投勝ちした。適時二塁打を放った西村大樹選手(2年)は「上級生として、何とか1年の神村を助けたかった」と振り返る。「上級生からの信頼が、僕に力をくれた」。神村投手は今、そう思う。

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