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明日を呼ぶ・滋賀学園

第88回センバツ 第1部 新チームの軌跡/下 夢引き寄せた近畿大会 /滋賀

 <第88回選抜高校野球>

    強豪相手に「自分たちの野球」

    報徳学園を延長戦で降し、整列する選手たち。左から2番目が後藤選手、3番目が神村投手=大津市の皇子山球場で2015年10月24日、森野俊撮影

     正捕手の後藤克基選手(1年)にとって、見たことがない「相棒」の姿だった。昨秋の近畿大会2回戦。報徳学園(兵庫)との試合は0−0のまま延長に入っていた。

     自チームの攻撃で、神村月光(ひかり)投手(1年)がベンチから身を乗り出しながら「絶対打てる」「諦めるな」と叫んでいた。普段はベンチに深く腰掛け、静かに次の回の投球をイメージしているエース。「絶対にあいつを負け投手にさせたくないと思った」と振り返る。

         ◇

     秋の県大会で3位となり、近畿大会出場を決めた滋賀学園硬式野球部。センバツという目標が見えてきたことで、部内の雰囲気は格段に良くなった。練習では学年に関係なく「ナイスバッティング」「今のは捕れるよ」と言い合い、野球道具を片付けながら、たわいもない話をしてみんなで笑い合った。

     迎えた近畿大会の1回戦では、大阪府大会で1位だった大商大堺に6−1で快勝。馬越大地選手(2年)は「自分たちの野球ができれば近畿大会でも通用することが分かった」と話す。

     そして、ベスト4をかけた報徳学園戦。両チームとも十三回までスコアボードにゼロを並べたが、十四回表に試合が動いた。2死二塁の好機で、打者は3番の後藤選手。「ここで試合を決める」。3球目を振り抜くと、打球は中前に落ちる適時打となった。待望の得点に沸き返るベンチで、神村投手が両手でガッツポーズをした後、少しホッとした表情を浮かべたのが分かった。その顔を見て、自分もうれしさがこみ上げてきた。

         ◇

     延長十四回の熱戦の末、報徳学園に勝利した滋賀学園は、準決勝で龍谷大平安(京都)にコールド勝ち。決勝では大阪桐蔭に2対3で惜敗したが、大会を通じて近畿の強豪校と遜色ない力を見せ、初のセンバツ出場をつかみ取った。

     選手たちには今、新たな目標がある。2009年に出場した夏の甲子園ではかなわなかった「聖地」での初勝利。「明日を呼ぶ」ため、部員56人は今日もグラウンドで汗を流す。

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