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第89回選抜高校野球

工大福井/上 挑戦の伝統胸に 昨夏の涙、糧に新チーム 先輩が「良い結果だせよ」 /福井

2016年夏の県大会準決勝で福井商に敗れ、一塁側ベンチに引き上げる福井工大福井の選手たち。中央奥で顔を帽子で隠しているのが北川智也選手=福井市福町の県営球場で、立野将弘撮影

 <センバツ2017>

     第89回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)で、福井工大福井の2年連続5回目の出場が決まった。昨秋の県大会で福井3位にとどまるも、北信越大会では高い攻撃力を背景にした勝負強さで実力校を次々と攻略。41年ぶりの優勝を果たし、センバツ出場につなげた。「先輩よりも良い成績を目指す」というチームの伝統を胸に、目標に向かって挑み続けた選手たちの軌跡を甲子園出場を逃した昨夏の敗戦からたどる。

     晴天に恵まれた昨年7月22日の県営球場。福井商との準々決勝は九回裏、最後の見せ場にスタンドの熱気は最高潮を迎えていた。得点は3-5。2点を追う福井工大福井は無死一塁の場面で、現在主将を務める1番・北川智也選手(2年)が打席に立った。

     「何としても次につなぐ」。内角高めの直球を振り抜いたが、打球はふわりと上がり、中堅手のグラブに吸い込まれた。出塁が求められる1番打者の役割を果たせず、ベンチに戻ると悔しさで涙が止まらなかった。

     その後、中犠飛で1点を返すも反撃はここまで。大会の第1シード校だったにも関わらず、準々決勝で敗退した。

     試合後、なおも涙が止まらない北川選手に、先輩たちが次々と声をかけた。「いつまで泣いてんだ」「次はお前たちの代だ」「俺らより良い結果だせよ」。温かい言葉が胸に染みた。

     翌日、3年生がいなくなった学校のグラウンドに1、2年生全員が集まり、選手だけでミーティングを開いた。先輩よりも良い成績を目指すことが福井工大福井の伝統だ。自然と新チームの最初の目標が明治神宮大会出場に決まった。北川選手は「昨年は北信越大会準優勝で出場できなかった。先輩たちとの約束だった」と話す。目標が達成できればセンバツ出場もグッと手繰り寄せることができる。

     その後、北川選手は田中公隆コーチ(42)から新主将に抜てきされた。田中コーチは「ずっとレギュラーで活躍し、経験とリーダーシップがあった。北川じゃなきゃダメだった」と振り返る。

     主将となった北川選手は、副主将に投手の辻田陽輝選手、外野手の藤中一真選手、三塁手の川村翔選手の3人を指名。新チームは秋の県大会に向け始動した。=つづく

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