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第89回選抜高校野球

工大福井/下 挑戦の伝統胸に 北信越大会、強力打線でV 成長の証し聖地で発揮へ /福井

2016年秋の北信越大会閉会式で優勝旗を掲げながら行進する北川智也主将(先頭)ら福井工大福井の選手たち=長野県松本市の松本市野球場で、立野将弘撮影

 <センバツ2017>

     10月15日に長野県営上田野球場で迎えた北信越大会初戦の上田西(長野1位)戦は初回に2点を先制される苦しい戦いとなった。

     相手投手の変化球に打ちあぐねたが、1-2で迎えた七回裏に2死二、三塁の好機が訪れた。打席に入ったのは2番・西村吏久人(りくと)選手(2年)。数少ないチャンスを逃せない。「ここで決める」。相手投手の得意球、スライダーに狙いを定めてフルスイングした。

     打球は中前に飛び、三塁走者が生還して同点に。一塁まで走った西村選手は三塁側に目をやると、二塁走者の大上真人選手(同)が三塁を蹴って本塁に走り込むのが見えた。「還れ!」と何度も叫んだ。

     中堅手の本塁への送球がそれて、3-2と逆転。この1点差を守り抜いた。

     「初戦が大会での勢いを作る」。田中公隆コーチ(42)が話した通り、福井工大福井はその後、持ち前の強力打線をバックに快進撃。準々決勝で富山東(富山2位)を11-1(五回コールド)、準決勝では日本航空石川(石川1位)を10-8で破り、一気に決勝まで駆け上がった。

     10月23日決勝の相手は高岡商(富山1位)。マウンドを託されたのは、前日の日本航空石川戦で五回まで好投しつつも、その後制球が乱れて七回までで降板した摺石達哉投手(2年)だった。

     前日は相手打線にけおされて弱気になってしまったことを痛感していた摺石投手は「攻めて攻めて打たせて取る」と誓いマウンドに上がった。走者を背負っても弱気にならずに落ち着いて試合を組み立て、1失点に抑える完投。打線も序盤から得点を重ね、7-1で勝利した。

     41年ぶりの優勝を果たし、選手らはチーム発足時に掲げた最初の目標、明治神宮大会出場を決めた。大須賀康浩監督(63)は「皆あらゆる面で成長した。勝負強くなり、自信につながっている」と目を細めた。

     約3カ月後の1月27日、センバツ出場の吉報が届いた。先輩よりも良い成績を目指すことが福井工大福井の伝統だ。次の目標は既に決まっていた。歓喜の渦の中で取材に答えた北川智也主将(2年)は「昨年できなかった(センバツでの)1勝をあげたい。目標はもちろん優勝」と力強く語った。=おわり(この連載は立野将弘が担当しました)

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