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第89回選抜高校野球

女子部員も夢舞台に 今大会から解禁 「先輩」の首藤さんらエール /大分

 <センバツ甲子園>

     19日開幕の第89回選抜高校野球大会の甲子園練習が14~16日に行われた。今大会からマネジャーを含む女子部員が、安全対策を取った上で外野ノックのボール渡しなどで参加できるようになった。解禁のきっかけになった大分の女子マネジャーと、2008年センバツでグラウンドに立てなかった華陵(山口)の女子部員が「後輩」たちへエールを送った。【安部志帆子、安田光高】

    「自信と誇りを持って」

     「甲子園のグラウンドに立った瞬間、すごい広いなあと震えた」。昨年8月2日、全国選手権大会の甲子園練習で、大分のマネジャーだった首藤桃奈さん(18)はグラウンドからアルプススタンドを見回した。

     中学3年の夏、大分大会準決勝での大分の選手やスタンドの応援団を見て、マネジャーを志した。「お母さんみたいな存在になりたい」。スパイクやグラブの修理法を学び、テーピングも講習で身に着けた。努力が評価されてノック補助も任されるようになった。

     甲子園練習の朝、ユニホームに袖を通すだけで緊張が走った。練習では、ノック補助で手の震えが収まらなかった。「いつも通りにすればできる」。心を落ち着かせ、松尾篤監督にボールを手渡した。

     10分が過ぎたころ、大会関係者から「ちょっと(ベンチに)戻って」と声をかけられた。「やっぱりダメなんだ。仕方ないな」。ベンチに戻りながら自分に言い聞かせた。「最後まで一緒にノックしたかったな」という思いはなかなか消えなかった。

     この一件が契機となり、女子部員への道が開いた。首藤さんは「けがに気をつけて、任された仕事に自信と誇りを持って頑張ってほしい。ルールを変えてもらったのに『やっぱり女子を入れない方がいい』となれば残念だし、試合前の選手にも影響する」とエールを送る。甲子園での感動を胸に、アナウンサーになってスポーツのすばらしさを伝えることが今の夢だという。

        ◇

     末永(旧姓・高松)香奈子さん(26)は感慨深そうに言葉を紡ぐ。「甲子園の独特の空気にのまれず、いつも通りやってほしい。やっと一歩、進めたのかな」

     08年春、第80回大会の甲子園練習。華陵の女子部員だった高松さんは選手として外野でノックを受ける予定だった。規定で練習に参加できないことを知ったのは前日夜。ショックで泣き続けた。

     当日はタイムキーパーだったが、それでもユニホームとスパイクを着用。転がってきた白球を拾う際に甲子園の黒土を踏んだ。「スパイクの歯がギュッギュと土に刺さるのが気持ちよかった」。わずか数秒。でも感触は今も鮮明に覚えている。

     高校卒業後、「体を動かすのが好きなので」と自衛隊に入隊。泥の中をほふく前進するなどの訓練を受けたが、「男子と同じ練習をしていた野球部の方が厳しかった」と笑う。2年間の勤務後、同じ自衛官で元球児の新二郎さん(27)と結婚。長男の湊斗(みなと)君はセンバツ期間中に3歳の誕生日を迎える。「『実はママ、野球をやって甲子園に出たんだよ』と将来、教えたい。湊斗が甲子園に行ってくれたらうれしい」と夢を膨らませる。

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