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未踏の頂へ

静高センバツ’17 静高、猛攻で圧勝 スタンド、歓喜の渦 /静岡

静岡・稲角塁一塁手
【不来方-静岡】一回裏静岡2死一、三塁、藤田の二塁打で一塁走者・森が生還=津村豊和撮影

 <第89回選抜高校野球>

     第89回選抜高校野球大会に出場している静岡高は24日、不来方(こずかた)(岩手)と対戦。エース池谷蒼大(そうた)投手(3年)の好投と、先発全員が安打を放つ16安打の猛攻で12-3で圧勝し、初戦を突破した。一塁側アルプススタンドは歓喜の渦に包まれた。静高は、大会第8日の第3試合(27日午後2時開始予定)で、大阪桐蔭(大阪)と宇部鴻城(山口)の勝者と8強入りを懸けて対戦する。【古川幸奈、出口絢】


     ▽1回戦

    不来方 100000020=3

    静岡  50103012×=12

     一回表、池谷投手は不来方の4番・小比類巻圭汰主将にフェンス直撃二塁打を浴び1点失った。スタンドは不安に包まれたが、静高吹奏楽部の天野鈴奈さん(3年)は「大丈夫。静高なら絶対に取り返してくれる」と力強く指揮棒を振り続けた。

     先制されてもナインは冷静だった。その裏、森康太朗捕手(同)の内野ゴロ、藤田誠也二塁手(同)の中越え適時二塁打で一気に逆転。藤田選手の父智典さん(44)は「チャンスで打ててよかった」と胸をなで下ろした。この回は打者一巡の猛攻で計5点を加え、流れは早くも静高に傾いた。

     「絶対に勝ちます!」。応援団長の香焼(こうたき)梨沙さん(2年)の声も一層大きくなった。三回に1点を追加した静高打線は、五回に再び火がついた。

     先頭の池谷投手が内野安打で出塁し、続く小柳廉主将(3年)が三塁線を鋭く破る二塁打を放ち7点目。クラスが一緒の佐藤潮音さん(同)は「いつもと表情が全然違う。大舞台で打ってくれてうれしい」と興奮気味に話した。この回は前田優太中堅手(同)の中前打などで計3点を追加。後半も勢いは止まらず、七回と八回にも計3点を入れ引き離した。

     池谷投手も「打たれるイメージはしていたのですぐに切り替えられた」と二回以降は無失点に抑え、七回の1死二、三塁のピンチも二者連続三振で切り抜けた。八回からは、春翔一朗投手(2年)が公式戦初のマウンドに。立ち上がりに苦しみ2点を失ったが、自己最速タイの133キロを何度も記録する気迫の投球で切り抜け、九回は打者3人を全て打ち取りゲームセット。春投手の父隆裕さん(46)は「緊張もあったと思うがいいピッチングができた。このまま調子を上げてくれたら」と期待を込めた。

    チューバで応援歌

     ○…静岡市職員で静高吹奏楽部の名物OB、竹田仁(ひとし)さん(44)がアルプススタンドでチューバの低音を響かせた。幼い頃から大の高校野球ファン。静高入学以前からよく観戦していたが、4年前に中古のチューバを購入したことをきっかけに、球場で演奏を始めた。県大会の初戦など吹奏楽部が来ない試合でも1人で応援歌を吹く。「少しでも現役をサポートできたら」と、甲子園は毎回有給休暇を取って足を運んでおり、この日も現役に負けない華やかな演奏でスタンドを盛り上げた。

     ■熱球譜

    兄の激励に応える適時打 静岡・稲角塁一塁手(3年)

     「初球を振る」と決めていた。一回裏2死二塁で打席に立つと、狙い通り初球を右前に運び、流れを引き寄せる4点目を追加した。

     兄航平さん(24)は、常葉橘高で2009年から2年連続で夏の甲子園に出場。当時は小学生で、静岡ベースボールボーイズ(静岡市)で野球を始めたばかり。家族と一緒にアルプススタンドに訪れた時、観客でびっしりと埋まった球場の雰囲気に圧倒された。「いつか自分もあの場所に立てたら」。兄のように甲子園でプレーすることが目標になった。

     航平さんは、昨秋の県大会から東海大会まで、ほぼ毎試合応援に来てくれた。県大会で打撃不振に陥り落ち込んだ時も「打てない時こそ打席ごとの切り替えが大事」と助言し、励ましてくれた。甲子園の初戦前日の23日も、無料通信アプリLINEで「甲子園の試合は展開が早い。雰囲気に飲まれず一打席一打席思い切ってプレーしてこい」と激励のメッセージが届いた。

     この日は、3打数1安打1打点。守備でも一塁手として積極的に内野陣に声かけをし、チーム全体で失策はゼロだった。「兄にはまだまだ届かないが、泥臭く自分らしいプレーができた。2回戦も打撃だけでなく堅実な守備でチームに貢献したい」【古川幸奈】

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    8月17日の試合

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