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高校野球・新世紀

第1部 消すな球音/2 進学ごとに球児が半減 やめる理由教えて

 球児の本音に迫る、全国でも珍しい大規模アンケートが昨年度、新潟県で行われた。小学生の一部と中高3年生全員の約2600人の選手を対象に行った野球に関する意識調査。実施の背景には、現場レベルでの野球離れへの危機感があった。

 調査を行ったのは「新潟県青少年野球団体協議会」。県スポーツ少年団、県中学校体育連盟軟式野球専門部や県高野連など県内の小学生から高校生までの野球に関係する10団体で構成されている。

 協議会が誕生したのは2011年11月。協議会会長で県高野連元理事長の富樫信浩さん(56)によると、当時の新潟県内の学童野球の人数は1万2000人。だが、中学では6000人となり、高校では3500人と進学するごとに野球人口が半減する構図だった。少子化が進む今後、さらに学童数が減ることは必至。待ったなしの状況に、組織の垣根を越えて取り組むことは必然だった。

 野球人口を増やすのは簡単ではないだけに、いかに高校まで人数を維持するかが鍵。それには選手に野球を続けない理由を聞く必要があるとして、アンケートを実施した。

 その結果、意外な数字が出てきた。中学生の98・7%が「野球をやって良かった」と思いながらも、「高校で続ける」と答えたのは58・3%にとどまった。良かったと思っているにもかかわらず続けない。その理由の上位は「他のスポーツをやってみたい」「他にやりたいことがある」「自分の実力はここまでだと思った」だった。富樫さんは「今後も継続して調査し、他スポーツに行く理由などの原因を探りたい」と話す。

 また、指導現場への問題提起も浮かび上がった。象徴的なのが、野球をする上での悩み。中学生では「勉強との両立」が「うまくなれない、レギュラーになれない」を上回ってのトップだった。富樫さんは「勉強時間の確保のため、どう効率のいい練習をするか、指導者は考えなくてはいけない」とし、球児の考えを伝えていくつもりだ。

 一方で、アンケート結果は、野球の魅力を再確認することにもなった。やって良かった具体的な理由のトップは、小中学生が「よい友達ができた」、高校生は「人間的に成長できた」で、「努力する大切さを知った」との回答も多かった。富樫さんは「野球をすれば、いい経験ができることを伝えたい」と強調する。

 どうすれば子供たちが野球を始めたい、続けていきたいと思うのか。地域で連携した取り組みが続く。【安田光高】=つづく

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