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高校野球・新世紀

第1部 消すな球音/3 ボールに触れる機会確保 魅力伝える幼児教室

昨年3月に邇摩高で行われた園児向けの野球教室=島根県高野連提供

 高校のグラウンドに、幼稚園児の甲高い笑い声が響き渡った。センバツが終盤を迎えていた昨年3月末。島根県の邇摩(にま)高で、同県高校野球連盟が園児対象の野球教室を開いた。部員約20人が指導役となり、仁摩保育所の年長園児がボールを投げたりバットで打ったり、野球の楽しさを肌で感じた。

 サッカーのような大きいボールで遊んだ経験があっても、野球のような小さいボールに触れるのは初めてという園児は多い。野球教室では軟らかいボールを両手で捕球して投げ、専用台の上に置いて打つ練習も体験。打った後に球児と手をつないで一塁まで走る簡単な試合も楽しんだ。低い年齢から野球の楽しさを知ってもらうのが狙いで、今年3月末までの1年間で県内各地で5回実施。参加した松江商の大野峻平主将(3年)は「自分は小学校に入る前に野球の楽しさを知ったので子どもの野球人口が減るのは寂しい。教えることで少しでも増えてくれれば」と願う。

 島根県では中学生の野球部員がここ5年で約3割減り、松江市内のスポーツ少年団では選手が1桁やゼロのチームも出てきた。松江市の軟式野球連盟が市内の小学生年代のチームに一昨年に実施したアンケートでは、存続について「数年はできる」「やや難しい」という意見が合わせて8割を占めた。子どもたちが入部しない理由として、「低学年でキャッチボールなど野球型スポーツに触れる機会がない」との答えがあったという。島根県高野連の万治正理事長は「サッカーやバスケットに流れている」と表情を曇らせる。

 静岡では県野球協会と県高野連が連携して社会人選手が指導する野球教室を開催。25年目の昨年初めて、対象を小学生から園児に切り替えた。県高野連の木村政彦理事長は「参加者の多くが少年野球の経験者になり、それでは野球の普及につながらないから」と明かす。日本野球連盟は一昨年から社会人野球の都市対抗大会期間中に東京ドームに園児を招いて野球教室を開催するなど、小さなうちから野球に触れてもらう機会は増えている。

 日ごろの遊びの中に野球を取り入れてもらうのが理想だが、場所や道具の確保、安全面の懸念から及び腰の園も少なくない。仁摩保育所の中祖千鶴所長は「バットまで使うとなると危ない」と話す。

 公園でのキャッチボールが禁止されたりプロ野球中継が減ったりするなどの影響で若い世代には野球が身近ではなくなっている。ボールの投げ方すら分からないなど、野球への関心が薄い若い保育士にも興味を持ってもらうことが重要だ。

 一方で、島根での野球教室を体験した園児からは「小学校で野球をやりたい」との声も出ているという。万治理事長は「各高校が最低でも年1回は園児と野球で触れあう機会を作りたい」と裾野の拡大に意欲をみせる。【浅妻博之】=つづく

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