メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

  • 政治プレミア
  • 経済プレミア
  • 医療プレミア
  • トクトクプレミア
高校野球・新世紀

第1部 消すな球音/5 入門者向けの「ティーボール」 気軽な競技で底上げ

山形県大会ではティーボールに挑む小学生=山形市で、2017年7月1日午前9時12分、田中将隆撮影

 ティーボールは、野球を学ぶため考案された入門ゲーム。投手はおらず、棒状のバッティングティーの上にボールを乗せて打つため初心者でも楽しめるのが特徴だ。選手は基本1チーム10人。2、3イニング制が多く、30分程度で1試合が終わる手軽さが魅力で、道具が軟らかく安全性も高い。日本では1993年に協会が発足した。

     入門という性格上、主に低年齢層向けで全国大会は小学4年までが対象だ。学習指導要領に明記されるなど学校教育で扱われているが、クラブ活動としては野球と選手層がかぶるため「人を奪われる」といった誤解もあり、活発に行われていない地域も少なくない。

     そんな中、急速な広がりを見せているのが山形県だ。2007年に初めて県大会を実施した際には参加はわずか4チームのみだったが、今年は予選に75チームが参加するまでになった。日本ティーボール協会県連盟の山川彰夫代表(65)がスポーツ少年団の指導者を務めていた縁もあり、「野球の下部組織」と位置付け、「母と子のティーボール大会」を開催するなど、親を巻き込んだ底辺拡大策を続けたことで浸透した。

     今年7月1日、山形市内で開かれた県大会には、保護者も含め約2000人が集まった。小学4年生までの選手たちが、梅雨空を吹き飛ばす元気なプレーを繰り広げた。チーム未登録でも出場できるため、ジャージーなど軽装の選手もいて和やかだ。参加者は年々増え、県連盟の調査では、昨夏に選手登録された県内の高校球児の約4割が大会経験者だという。

     山形県でも野球離れは進んでいるが、ティーボールが歯止めをかけているという分析もある。スポーツ少年団の競技人口は10年に3517人だったが、15年には1968人と毎年100人単位で減少。しかし、16年には1959人と微減にとどまった。特にティーボールが盛んな東南村山地区(山形市など)では、15年の527人から16年は556人と増加傾向だ。同地区の山辺野球スポーツ少年団はティーボール体験会を始めたことで団員数が回復。特に低学年からの入団者が増えており、渡辺真好監督(56)は「道具の費用など個人負担が少なく、野球経験のない両親も一緒に参加できることが後押ししている」と話す。

     山形県では昨年、県高野連や県野球連盟など11団体で「県野球活性化推進会議」を設置。その効果に着目し、ティーボールを野球復権への重要な柱と位置付けた。12日に開幕した高校野球山形大会の各会場では、道具購入のための募金を始めた。道具は小学生や幼稚園児に無償提供する予定で、山川代表は「ティーボールが必須になる時代が来る。幼児期から野球型競技に慣れ親しんでもらう仕組み作りを進めていきたい」と将来を見据えて動き始めている。【田中将隆】=つづく

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 米国防総省「強い懸念と失望表明」 韓国のGSOMIA破棄で声明

    2. 「反日は一部」「少し感情的」日韓市民、一層の関係悪化を懸念 GSOMIA破棄に

    3. 韓国の見切りに日本「まさか」「困るのは…」 GSOMIA破棄

    4. 中谷元防衛相「最悪の決断」 韓国のGSOMIA破棄に

    5. クローズアップ 日韓軍事情報協定破棄 対話不発 韓国見切り

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです