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センバツ21世紀枠

候補校紹介/2 由利工(東北・秋田) 「愛される学校」先導役

通常より細いバットとテニスボールを使い、室内練習場で内角打ちの練習をする由利工の選手

 <第90回記念選抜高校野球大会>

     少子化と普通科志向の影響で定員割れし、統廃合が検討されている秋田県由利本荘市の工業高校。かつては登下校中の自転車運転マナーの悪さなど、地域から苦情を寄せられていた学校が、「あいさつ」をきっかけに立ち直った。野球部がその先導役を担った。

     「地域に愛される由工(由利工)」を目標に掲げ、野球部の須田和仁部長(48)が生徒指導の主事に、渡辺義久監督(39)が生徒指導担当になったのは2012年。2人が着任する前年は400人足らずの全校生徒のうち、野球部員を含む10人前後が毎日遅刻していた。「これでは勝てない」と痛感した。

     須田部長らは毎朝校門に立ち、生徒に「おはよう」と声を掛け続けた。まずは毎年50人前後と、最も部員の多い野球部員に「学校を変える」という意識を植えつけた。野球部員が14年秋から2年続けて生徒会長を務め、率先して学校改革に乗り出した。昨年6月には通学途中の野球部員が路上に倒れていた高齢男性を救助し、男性が一命を取り留めたこともあったという。須田部長は「見て見ぬふりのできない生徒が増えてきた」と話す。

     「あいさつ」とともに、学校創立と同じ1962年に創部された野球部の成績は上向く。14年夏の秋田大会で4強入り。渡辺監督は14年秋に若手指導者の育成が目的の甲子園塾(山下智茂塾長=石川・星稜高元監督)を受講し、選手がより主体的に取り組む練習メニューに変更した。昨秋は秋田3位校で東北大会に初出場し、弘前東(青森)との2回戦は九回2死から逆転勝ちし、8強に進んだ。

     通常より細いバットとテニスボールを使って内角打ちの練習に取り組むなど、工夫を凝らす。また、工業高校の技術を生かし、高齢者施設の車いすの修理などのボランティアにも励む。「地域の方と触れ合う中で相手のことを考えられるようになった。相手心理を読む野球にも生きる」と畑山陸翔(りくと)主将は強調する。【江連能弘】=つづく

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