メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

センバツ21世紀枠

候補校紹介/6 膳所(近畿・滋賀) 情報収集、陰の功労者

打球の落下地点をメモした用紙をもとにパソコンに入力する高見さん

膳所(ぜぜ)

 選手でもマネジャーでもない部員が膳所にはいる。高見遥香さん(1年)は、今年度初めて募集したデータ管理専属の部員。グラウンドを198分割したエリアのどこに他校の選手が打球を飛ばしたかをパソコンでまとめるのが仕事だ。昨秋の滋賀大会での8強進出を陰で支えた。

     高見さんは野球未経験だが、プロ野球・広島のファンで「1番の田中が出塁すると、2番の菊池の打率が上がるというのをテレビで見てデータに興味を持った」という。上品充朗監督(48)は「選手だけでの情報収集には限界がある。全校生徒が1300人もいれば、野球はしないが、データベース作成などに関心がある生徒もいるのでは、と思ったらいましたね」とほほ笑む。

     打球傾向を重視するのは、発想の転換がある。県下屈指の進学校。受験の高い壁があり、「中学時代、7番レフトが多い」と上品監督は言う。そんな選手には難しい打球に飛びつかせるより、簡単に捕れる位置取りをさせた方が確実にアウトにできる、と考えた。

     シート打撃では内野を3人、外野を2人で守らせることも。二塁手が二塁後方、左翼手が左中間付近にいるなど、データをもとに打者ごとの特徴やその日のスイングなども加味して守備位置を変え、判断力や洞察力を磨く。

     昨秋の滋賀大会準々決勝ではその後、近畿大会4強まで勝ち進んだ近江に1-3と善戦した。エースの手塚皓己(2年)は「二塁打性の打球を外野がアウトにしてくれた」と感謝する。長打を警戒して厳しいコースを突き続ける必要がなくなり、大胆に投げられたのも好投の要因だ。

     高見さんは「やりがいがある。データでここまで変わるのかと、改めて野球の面白さを知った」と目を輝かせる。野球人口の減少が叫ばれる昨今、「目指すのは文武両道ではなく、文武連動」(上品監督)という膳所の取り組みは、単なる部の強化だけでなく、未経験者にも野球への関心を高めるきっかけになっている。【安田光高】=つづく

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

    話題の記事

    関連サイト