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高校野球・新世紀

第4部 カントク模様/2 元プロ、結果求められ

学校前で坂道を駆け上がる選手たちを見守る岡本監督

 「2016年・基礎体力作り 17年・夏の和歌山大会ベスト4、(翌春)選抜出場 18年・夏の甲子園出場」。16年4月に開校した和歌山南陵のオープンスクールのチラシに記されている。達成に向け、日本ハムやオリックスで2軍監督を務めた岡本哲司監督(56)が招へいされた。

 13年度から、プロ野球経験者は研修会を受講すれば、学生野球の指導に必要な資格回復が可能になった。従来条件の2年間の教員歴から緩和。日本高校野球連盟によると、昨年までに1085人の元プロ(独立リーグを含む)が資格を回復。1月5日現在で22人が監督を務めている。

 16年2月に資格回復していた岡本監督は和歌山出身で、プロでの豊富な指導経験を買われた。昨夏は和歌山大会3回戦、秋は8強とステップアップしたが、2年目の目標には届かなかった。勝負の3年目。「強化にはスカウティングが一番大事」としながらも、中学生の視察はほぼしていないという。「選手が集まってこない」と実績がない新設校の厳しさを明らかにする。

 新制度での甲子園出場監督は15、16年夏の九州国際大付(福岡)の楠城徹監督(67)、17年夏の天理(奈良)の中村良二監督(49)ら。指導力もさることながら甲子園の強豪校だ。選手が集まりやすい下地がないチームでは一朝一夕での強化が難しい。ただ、「元プロ」に大きな期待を寄せる学校もある。

 阪急(現オリックス)、阪神でプレーした八木茂氏(64)は新制度による第1号として14年3月、明桜(秋田)の監督に就任。09年夏以降、甲子園から遠のいていたチームの再建を「3年契約」で託された。2年目の夏の秋田大会には8強入り。手応えを感じていた直後、総監督への辞令が出た。「成績不振と判断されたのでしょう。契約の3年間は我慢してほしかった」と振り返る。8月に退職した。

 大阪出身で秋田には縁もゆかりもない。有望選手がいる地元の硬式指導者に会っても「明桜さんは関西から来るでしょう」と言われたという。整理整頓やあいさつなど生活指導にも力を入れるなど「教育者」を意識してきたつもりだったが「高校の監督は学校や保護者など多くの人たちとうまく関わらないといけない。プロ選手だからというのを前面に出すと失敗する」と一筋縄ではいかない難しさを指摘する。

 和歌山南陵の岡本監督は事務職員での採用で契約期間はない。ただ、岡本監督は「負けてのうのうと居られるとは思っていない」と自負をにじませる。全校生徒の約7割が野球部員でスポーツに力を入れている同校。アマチュアの世界に戻っても、プロと同じように結果が求められている。【安田光高】=つづく

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