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高校野球・新世紀

第4部 カントク模様/4 外部指導者、確保に壁

学校に戻るバスの運転席で部員と談笑する名古屋国際の山本監督(左)=田中将隆撮影

 名古屋国際(愛知)の山本静夫監督(52)は会社社長でもある。病院の衛生管理をする会社を経営しながら母校を指導。強豪ひしめく愛知で昨夏はベスト16入りするなどチームを引き上げている。

 前任監督は学校の事務職員だった。学外にあるグラウンドまでバスで往復1時間半かかることもあり、日常業務と合わせると毎月、超過勤務に陥った。勤務時間を適正にしようとすれば、始業は午後3時ごろとなり、業務と部活指導の時間が逆転。前任者の退職を機に監督を学校外から招くことにした。

 ただ、候補者探しは難航した。学校の教育方針に沿った指導ができると信頼しうる人物はそう簡単に見つからない。また、経費や事故が起きた際の責任の所在など、教職員が務めれば解決する課題がいくつも出てくる。

 そんな中、白羽の矢がたった山本監督は名商大付時代の1983年、夏の愛知大会で4強入りした際のエース。その後、社会人野球でもプレーした。OBで学校方針にも精通しており、事故防止を含め安心して任せられると、現役時代を知る野球部長が推薦した。

 もう一つ、決め手となったのは経営者だということだ。時間の自由がきき、平日は午後3時から、週末は丸一日を監督業に充てている。本業は空いた時間に電話で指示を出すなど、工夫しながら両立している。

 給与額は非公表だが「監督収入だけでは生活していけない」と山本監督。「母校を強くしたいという一心でお受けした。そうでなければ割に合わないかな」と笑う。同校の担当者も「山本監督の好意で成り立っている部分も多い」と話す。

 79年に甲子園春夏連覇を果たした箕島(和歌山)の故尾藤公監督など、かつては教職員以外のOBが監督を務めるケースは珍しくなかった。しかし、現在では大半が教職員だ。日本高校野球連盟が2013年に当時の加盟校4032校に取ったアンケートでは、教員と学校職員が96%を占めた。

 教員が多くなった背景について、スポーツ庁の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」の委員も務める西岡宏堂・日本高野連副会長は「80年代に中学校の校内暴力がよく起きた際、教員が部活動を通じて生活指導をするようになった。高校もその影響を受けたのでは」と推測する。

 文部科学省は昨年4月、技術指導以外に大会など学外への引率もできる「部活動指導員」を学校教育法施行規則の改正で制度化した。学校外の指導者の導入を促すことで、教職員の時間外勤務を減らすことが狙いだ。大会参加規定で教師の引率が定められている高校野球でも今後、議論されていくだろう。ただ、部活動に教育的観点は欠かせない。信頼できる人材の確保や金銭面の負担など、その実現への課題は多い。【田中将隆、安田光高】=つづく

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