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高校野球・新世紀

第4部 カントク模様/6止 地区で連携、底上げ

北信越地区の監督同士で連携して強化を目指す星稜・林監督(手前)=日向梓撮影

 現場を預かる監督たちは環境の変化に敏感だ。北信越地区では、過疎と少子化で野球人口そのものが減る一方、有望な選手は関東や近畿など県外に流れているという。春夏合わせて29回の甲子園出場を誇る星稜(石川)の林和成監督(42)ですら、不安を漏らす。「もう今は1強多弱では高校野球は発展しない。10年後ですらどうなるかわからない」

 指導者が集まる場で北越(新潟)の小島清監督(42)が林監督に声を掛けたのは約5年前のことだった。「連携して何か新しいことをやろう」。北越は甲子園出場経験はないが、2009年夏に小島監督が就任して以降、11年の秋季新潟大会を43年ぶりに制するなど着実に力をつけている。その一方で、小島監督は「野球の本当の面白さを知らないまま、避けられている」という思いも持っていた。

 小島監督の提案を受け、富山第一も加わった3校で15年、「フューチャーリーグ」をスタートさせた。1、2年生主体のリーグ戦で、4月から夏の選手権前までの間に総当たりで順位を決める。翌年からは同世代の監督が率いる小松大谷(石川)や中越(新潟)も参加した。北信越の高校が、手を携えて地区全体の底上げを図っていこうという試みだ。

 早めに実戦経験を積むことで新チームにスムーズに移行させることを主眼に置くが、強化だけが目的ではない。背番号を付けて公式戦さながらの雰囲気を控え選手にも味わわせ、意欲を高めさせたいという意図もある。下級生のうちは球拾いや走り込みばかりという、かつての高校野球のイメージを拭い去ろうとしている。

 かつて星稜を率いて甲子園で22勝した山下智茂さん(72)は「他の学校と連携することは手の内を明かすことにもなるので昔は考えなかった」と驚きを隠さない。実際、フューチャーリーグの参加校同士、センバツの出場選考の参考となる秋の北信越大会で対戦する可能性はあり、甲子園を目指すライバルであることは間違いない。ただ、高校野球の未来を紡いでいく仲間でもある。

 「私学だけでなく公立校も含めて県や地区全体で強化していくことを考えていかないといけない」と林監督。指導者たちの前例にとらわれない発想が、新たな世紀の高校野球を作っていく。【浅妻博之】=第4部おわり

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