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勝負心・春

2018センバツ中央学院 第2部・支える人たち/4止 管理栄養士 田沢梓さん /千葉

毎月手元に届くメニューをチェックする管理栄養士の田沢梓さん。栄養バランスを考えて学食側にアドバイスをしている=印西市平賀学園台の順天堂大学さくらキャンパスで

 <第90回記念選抜高校野球>

    食事で選手「強く」 学食の栄養バランス確認

     2015年春、学校内で野球部対象のセミナーが開かれた。テーマは食事。「食が細くて困っている」「プロテインは取った方がいいか」。講師を務めた管理栄養士、田沢梓さん(38)=川崎市在住、国立スポーツ科学センター非常勤専門職員=に部員や保護者から次々と質問が飛んだ。田沢さんはこの日、食事量の目安や食事が体作りに及ぼす影響を説明。以前から食事を重視していた相馬幸樹監督(38)は、自宅通学者も含む全部員を対象に週7日間、3食を学食で提供することを決め、メニュー作りは田沢さんが担当することになった。

     その年の夏から田沢さんは本格的にメニュー作りを始めたが、お米代込みで1人3食約1000円という予算が壁になった。赤字になる上、部員以外の生徒にも食事を提供する学食の業務量は増加し人件費もアップ。予算は更に減った。約半年後、学食を運営する飲食店「花悠房」(我孫子市)の塚原良典社長(53)も栄養と予算を考えたメニュー作りのコツが分かり始めたことから、塚原社長が考えたメニューを田沢さんがチェックするスタイルにした。

     田沢さんは、部員の好みなどを熟知する塚原社長が考えるメニューのコンセプトを「できるだけ崩さない」ようにしている。代替案を示す際も、予算があまり変わらないようにする。ポテトサラダならかぼちゃサラダ、サニーレタスならほうれん草のソテー。安くても栄養価の高い材料を選ぶ。緑黄色野菜のバランスや、メニューに重なりがないかも注意を払う。また、予算や作業工程の都合で魚の切り身が難しい時はさつま揚げといった練り物を提案するなどして、エネルギー不足に陥らないようにしている。

     管理栄養士を目指すきっかけになったのは高校3年だった1998年の長野五輪。日本代表選手の活躍に感動し、「自分はどうやったら関われるのか」と考えるようになった。「食事面でサポートする仕事がある」と母親が持ってきたのが、管理栄養士を取り上げた新聞記事の切り抜きだった。昭和女子大学生活科学部に進み、卒業後は管理栄養士としてスポーツ栄養の道を選んだ。委託給食会社大手シダックスフードサービス勤務時代は、相馬監督が所属していた社会人野球シダックス(06年廃部)の食事管理なども担当した。

     「将来指導者になる子もいるだろう。その時に『きちんとした食事で強くなった』と言わせたい」。15年のセミナーで相馬監督がそう話していた姿が印象に残っている。田沢さんが食事に関して部員に身につけてほしいのは、コンビニエンスストアであってもバランスを考えて商品を選ぶ力だ。その上で「コミュニケーションの場でもある食事の持つさまざまな意味を知り、食材を作る人にも思いを巡らせられる人になってほしい」と願う。

     日ごろは部員と接する機会はないが、昨秋の県大会準決勝はスタンドで相馬監督にもらった青い応援タオルを振って応援した。塚原社長からは時々食事風景の写真が送られてくる。「裏方として支えられて楽しい。甲子園でも、普段通りの力を発揮してくれたらうれしい」=おわり(富美月が担当しました)

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