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’18センバツ明徳義塾 第2部・寄り添う人々/中 送迎も「全員野球」で /高知

選手たちを笑顔で迎える有澤賢治さん(右)=高知県南国市久枝の高知龍馬空港で、松原由佳撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

     「おかえり。お疲れ様」。奄美大島への修学旅行から飛行機で高知龍馬空港(南国市)に戻ってきた選手たちを、バス運転手の有澤賢治さん(46)が笑顔で出迎えた。選手たちは「こっち寒い」「運転よろしくお願いします」と笑顔で答えながら、次々とバスに乗り込む。中には有澤さんにハグする選手も。有澤さんも笑顔で応える。

     有澤さんはバスなどを運行する「大新東」(東京)の明徳義塾事務所の現場責任者。野球部の遠征や甲子園への送迎を担当している。選手たちからは「ありさん」と呼ばれ、慕われてきた。

     高知市出身で、長距離トラックの運転手などを経て、2015年に転職した。最初に野球部を送り届けたのは、16年夏の甲子園だ。以前は「野球に興味がなかった」が、選手や馬淵史郎監督(62)の話を聞くうちに「野球が面白くなってきた」。今では「明徳しか応援する気がない」と笑う。

     大会期間中は、練習場や試合当日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)へ送り届けることが有澤さんの仕事だ。大会前の選手たちには「いってらっしゃい」と声を掛ける程度にとどめるという。「大会前に監督がいつも通り行けよ、と言うんです。だから僕もいつものようにしています」。選手たちを甲子園で降ろした後、宿舎にバスを駐車しに戻り、電車で再び甲子園へ。アルプススタンドから選手たちを見守る。

     野球部の練習中は運動がてら、球拾いを手伝う。使用しているのは、外野手として活躍した西村舜さん(19)からもらったグラブだ。当初は素手で球拾いをしていたが、西村さんから卒業前にグラブを手渡された。「後輩のフォローをよろしくお願いします」と伝えられ、「うれしかったし、ありがたかった」とにっこり。練習が終わると選手たちをバスに乗せ、宿舎へと戻る。

     練習中や宿舎では、選手たちと話したり、練習を手伝ったりすることも。「先生やコーチとは違う、別の立場。自分の息子同然、友だちみたいな感覚もある」と目を細める。「馬淵監督も『運転手さん含めて全員野球』と言ってくれるんです。野球部のバスを運転できることが光栄でうれしい」と話す。

     有澤さんが野球部を担当し始めた際に1年生だった選手たちが、今や最上級生となった。「(試合で)大暴れしてほしいですね」と期待を込める。今年の春も有澤さんが甲子園まで選手たちを連れて行く予定だ。「安全に現地まで行けるようにします。いつも通りに」【松原由佳】

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