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高校野球・新世紀

第5部 変わる常識/3 食事 緻密な栄養管理

週に1日は必ずトレーニング専用の日を設けている東海大菅生の選手らは、トレーニング前や途中に補給するプロテインを欠かさない

 昨夏の甲子園での試合後、取材を受けていた選手らが、水やスポーツ飲料ではなく「プロテイン」を飲み始めた。東海大菅生(東京)では、約2年前からたんぱく質などの栄養素を補給するためプロテインをこまめに飲んでいる。試合直後にも飲むのは、疲労回復を早める狙いがあるのだという。若林弘泰監督(51)は「昔は技術練習ばかりだったが、ここ数年でトレーニングや食事は特に考えるようになった」と話す。

 筋肉を伸ばした状態を保つストレッチという言葉が普及したのは1980年代。ストレッチをしてから、ウオーミングアップやウエートトレーニングをする方法が一般的になり、体のケアへの関心度は高まった。2000年前後になると、インナーマッスル(深層筋)への注目が高まり、ゴムチューブを引っ張って鍛える球児も。また、プロテインも高校野球のトレンドになった。専属の栄養士をつけて「食トレ」に励む学校も今では珍しくない。

 「白米だけをとにかく食べさせて、体を大きくしようという考えはここ数年前まで高校の指導現場に残っていた」というのは、公認スポーツ栄養士で、「野球食」(ベースボール・マガジン社)の著書がある立命館大の海老久美子教授(スポーツ栄養学)だ。細かく考えずひたすら食べるだけの球児も多かったが、専門家の指導を受けて必要な栄養まで考える学校も出てきている。

 今春のセンバツに出場する彦根東(滋賀)は海老教授ら公認スポーツ栄養士のサポートを受けている。食事についても勉強することで、選手が親に「こういう栄養が必要だから、こういう料理を作ってほしい」と頼むように変わったという。東海大菅生では、練習でのエネルギー消費量を考えた上で、寮の夕食で1杯500グラムの白米を最低2杯は食べるよう義務づけ、プロテインを飲むタイミングまで指導している。昨夏の甲子園で本塁打を放った4番の片山昂星(2年)は「栄養指導を受けるようになって自分の栄養も考えるようになった。入学前は体の線も細かったが、今は下半身が大きくなり打球の飛距離も平均で10メートルは伸びた」と効果を実感する。

 90年代から球児たちへのサポートを続けてきた海老教授は「必要なエネルギー量と栄養素の量を選手が理解した上で取り入れるようになった」と近年の変化を感じ取る。技術を磨くのと同じぐらい、食トレへの意識も高まっている。【浅妻博之】=つづく

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