<第90回記念選抜高校野球>
4年ぶり12回目のセンバツ出場となる智弁和歌山。3月23日の開幕まで1カ月を切り、練習に励む選手やスタッフの横顔を紹介する。(この連載は木原真希が担当します)
空振り狙い直球磨く 平田龍輝(りゅうき)投手(2年)
チームでの信頼があつい右腕エース。昨秋登板した公式戦9試合について「どの試合も打線に助けられた。自分はまだまだです」と現状に満足しない。
この冬は得意の直球だけを投げ込む日をつくるなどして投球を磨いてきた。「変化球で三振を取るよりも、コースの分かる直球で空振り三振を奪う方が気持ちがいい」と打者の打ち取り方にもこだわりをみせる。
チームでは2番手、3番手の投手も台頭してきた。「良い刺激になる。でも絶対に背番号1は取られたくない」と研さんを誓う。
郷里の串本には正月休みにしか帰省できない。その時、自分を応援してくれている祖父が取る出前の寿司が楽しみだという。好きなネタはウナギだ。
投手の個性引き出す 東妻(あづま)純平捕手(1年)
遠投で120メートルを投げるチーム1の強肩を買われ、高校からマスクをかぶる。中学までは投手、内野手、外野手さまざまなポジションを務めたが「自分のサインでゲームを動かせるのは楽しい」と捕手の魅力を語る。
投手の個性を引き出し、打者のくせを見抜き配球を考える。「1試合終わればヘトヘトです」と言いつつも、表情には爽快感があふれる。
昨年の秋季近畿大会初戦の強豪・履正社(大阪)戦では勝利を収めたものの、2本塁打を含む17安打を浴びた。「これだけ打たれるのは捕手の責任。投手を輝かせられる捕手になりたい」と奮起する。プロ野球で捕手を務めた中谷仁コーチの技術を体得しようと必死に取り組んでいる。