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高校野球・新世紀

第5部 変わる常識/5止 ルール 国際化の波に一線も

昨春センバツ準決勝の秀岳館戦後、ベンチ前でキャッチボールをする大阪桐蔭の徳山。今後、試合中は禁止される可能性がでてきている=津村豊和撮影

 野球競技が復活する東京五輪を2年後に控え、日本の野球界に改めて国際化の波が押し寄せている。

 今年1月のプロ、アマチュア合同規則委員会。ベンチ前でのキャッチボール禁止を「国内球界全体として取り組むべき課題」として呼び掛けていくことを決めた。監督が敬遠する意思を伝えれば投球せずに四球になる申告敬遠や反則投球の解釈変更ほど注目されなかったが、昨秋の明治神宮大会を制した明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は「申告敬遠より気になる」と言う。高校野球はイニング間の投球練習が3球程度で、守備位置についてからだけでは投手、野手とも十分に肩ならしをすることができない可能性が高いからだ。

 公認野球規則では、試合に出ている選手とベースコーチ、次打者以外は試合中、ベンチに入っていなければならないと定めている。米大リーグや国際試合ではこれが厳格に適用されている。合同規則委の対応はこれに同調するものだが、日本高校野球連盟は今月21日の理事会で独自の判断を貫いた。今季は申告敬遠導入を見送り、ベンチ前のキャッチボールも従来通り認めることを確認した。

 その理由を説明した窪田哲之・審判規則委員長は「プロや社会人に比べ、圧倒的なすそ野の広さ」を強調した。地方大会はさまざまな条件の場所で行われており、プロ野球の球場のようにブルペンが備わっているとは限らない。キャッチボールを行えなければ、「準備不足のままプレーして悪送球につながることもある。選手にどんな影響があるかという視点で判断した」と続けた。

 とはいえ、高校野球が世界に目を向けていないわけではない。プロや社会人に先駆け、1997年のセンバツから「ボール・ストライク」の順でカウントをコール。前年夏に米国で行われた4地域親善で日本とは逆のコール順に選手が戸惑ったため、いち早く対応した。10年以上遅れ、プロ野球も2010年に変更した。また、この米遠征で日本の二塁走者が相手の投げるコースを打者に教えていると審判から指摘され、サイン伝達行為の禁止につながった。

 U-18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)などの大会を考えれば、日ごろから国際ルールに慣れる利点は大きい。だが、ほとんどの球児にとっては高校日本代表など縁のない存在だ。「国際化は非常に大事だが、トップだけを見てはいけないというのが高野連のスタンス」と竹中雅彦事務局長は強調する。「教育の一環」という高校野球の根本理念を保ちながら「世界」と向き合う作業は続いていく。【野村和史】=第5部おわり

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