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新たなる勢力図

センバツ90/4止 彦根東、膳所、近江(滋賀) 競い合い、3校出場

選手を指導する彦根東の村中監督(左)=望月亮一撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

     甲子園の舞台にこれまで滋賀県のチームが複数立ったことはない。しかし今大会、一気に3校が同時に出場する。一般枠で近江と彦根東、21世紀枠で膳所。近畿で唯一、甲子園優勝がない滋賀が地力を付けてきている。

     躍進をけん引するのは県下屈指の進学校、彦根東。昨夏に続いて甲子園出場を果たした。転機は2009年、21世紀枠でのセンバツ出場だ。当時コーチだった村中監督は他校を分析する過程で「135キロ前後の直球が必要」「115キロのスイングスピードで本塁打が打てる」など甲子園出場のレベルが明確になったという。「指導者として意識が変わった」。基準が分かれば、やるべきことが決まる。長打を打つための角度を割り出し、ネットに目印を付けてティー打撃を行うなどした。11年に監督となり、13年に初めて夏の甲子園に出場した。

     これを境に「勉強も頑張り、野球でも甲子園を目指す」という中学生が来るようになった。06年に学区制度が撤廃されたことも追い風に。従来は原則、彦根市など湖東地区からしか進学できなかった。村中監督は「10年に1人出会う選手が4、5年に1人になった」と恩恵を感じる。現チームのレギュラークラスの半分が旧学区外の選手だ。

     新たなチームが出ると競争が生まれる。彦根東の健闘に刺激を受け、進学校の膳所も59年ぶりの春出場となった。その一方で戦力の分散というマイナスもあるが、滋賀の場合は有力校の特色が異なる。夏12回、春は5回目の出場の近江は地元で人気の私学。琵琶湖をイメージした鮮やかな青のユニホームは有名で、大阪府出身の主将・中尾は「実績や知名度のある近江に迷いはなかった」と近畿全域から集まる。同じ私学ながら滋賀学園は沖縄出身の選手が活躍し、昨年まで2年連続春出場。公立でも伝統校の八幡商は中堅の実業校だ。

     滋賀勢最高成績となる01年夏準優勝の近江の多賀監督は「地元のトップの中学生は大阪の私学に行く。甲子園で結果を残し、流出を止めたい」。村中監督は「進学校でも戦えるという使命感を持っている」。高みを目指す志は一緒だ。【安田光高、前本麻有】=おわり

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