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未来への提言

センバツ90/1 人間性育む部活動に 日本サッカー協会最高顧問・川淵三郎さん

=丸山博撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

     今年はセンバツが90回、夏は100回の節目の大会となる高校野球。野球離れなど課題を抱える中で、次の100年に向けて発展させるには何をすべきか。各界の著名人に、高校野球の未来に向けて、提言してもらった。

    日本サッカー協会最高顧問・川淵三郎さん(81)

     高校野球は学校スポーツの中でも最も、夢と希望と感動を与えている大会だ。それだけに、変わるべきところは時代に即して変化してほしい。

     その最たるものが甲子園の開会式のあいさつ。中身が大体同じように聞こえ、誰があいさつしたのか、ほとんど覚えていない。例えば、高校野球やプロ野球で活躍した人があいさつすれば、出場選手の心に一生残るだろう。元大リーガーの野茂英雄さんや松井秀喜さんら候補となる人は山ほどいる。人数を絞り、そうした元選手を加えるなど工夫をしてほしい。

     良くなったのは校歌と選手宣誓だ。僕は昔、日本高野連会長に招待されて甲子園に見に行った。その時に、「なぜ勝ったチームの校歌だけやるのか」と疑問を呈したことがある。世界中の多くのスポーツの試合では、両方の国歌を演奏する。お互いに頑張ってきたことをたたえ合う姿勢がそこにはある。最近の甲子園は試合序盤で両校の校歌を演奏して良くなった。

     また、選手宣誓も「スポーツマンシップにのっとり」などの定型でなく、自然体で自分の言葉で言っているのがいい。有名校の野球部の中には選手が100人を超えるところもある。それに対して指導者が2、3人では管理も不十分になるだろう。一番大事なのは優勝をたたえるのではなく、いかに素晴らしい人間性を持った子供たちを育てるかだ。レギュラーになれない選手は駄目であるかのような部活動のあり方は、絶対に排除しないといけない。それに対する日本高野連のガバナンス(組織統治)も厳しくなされるべきではないか。

     センバツは21世紀枠があるなど、夏と一味違う大会の意味があるし、全国規模で楽しめる大会は年1回より2回の方がいい。僕の中学時代の同級生も泉陽高(大阪)に進み、1954年の春夏の甲子園に出場した。僕がけがの影響で出場できなかった68年メキシコ五輪サッカーで日本は銅メダルを獲得したが、それ以上に甲子園に行った同級生がうらやましかった。それだけの存在価値があるからこそ、旧態依然たるところは変えないといけない。【聞き手・新井隆一】=つづく


     ■人物略歴

    かわぶち・さぶろう

     1936年大阪府生まれ。Jリーグ創設に尽力し、91~2002年に初代チェアマン。02~08年に日本サッカー協会会長。15~16年に日本バスケットボール協会会長としてBリーグ創設に導いた。

    毎日新聞のアカウント

    4月3日の試合

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