<第90回記念選抜高校野球>
176センチ66キロと、捕手のイメージに合わない細身な体格。しかし捕球の技術は抜群で、主将の黒岩陽介捕手(2年)からも「キャッチングがうまいな」と評価される。「とにかくミットを止めること」と「投手に気持ちよく投げてもらうこと」の二つを心がける。
「ボールを投げると、普通は重力に従って少し下がる。手を少し下から上げるイメージで」。親指と人さし指の間のミットの芯でボールを捉えると、「パン」とはじけるような乾いた音が響く。渡辺奏太投手(1年)は「安竹に投げると『今日は調子がいいな』と思える」と話す。
小学生の時、2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見て野球に興味を持った。近所の少年野球クラブに入り、コーチに「やってみないか」と声を掛けられたのをきっかけに、捕手になった。
今は体重を増やそうと一日2キロ以上のご飯を平らげる。「体ができればキャッチングもまだまだ磨ける。打撃も走塁もそろった選手になりたい」【大谷和佳子】=つづく